閑静な住宅街が広がる新潟市中央区西大畑町。ここに、おどろおどろしい名前の小路がある。その名も「地獄極楽小路」。その名前の由来について取材した。
地獄極楽小路 その名前の由来は?
地獄極楽小路があるのは、新潟を代表する高級料亭・行形亭(いきなりや)と西大畑公園の間の小路。
言われてみれば、ミステリアスな名前のとおり、昼間でも薄暗い何とも妙な雰囲気がある小路だ。

ここは地獄の淵を覗き込んでしまう入口か…?あるいは天国への階段か…?何やら裁きが待っていそうな場所。
街歩きのプロに聞いてみた
そこで、新潟の街歩きのプロ「新潟シティガイド」西大畑エリア長・倉地一則さんに、この小路の歴史について聞いた。

新潟シティガイド 倉地さん:
「黒塀が長く続いてるところが、江戸時代から300年間続く高級料亭・行形亭さん。対して、この小路を挟んで反対側一帯は、昭和46年まで新潟刑務所があった場所なんです」
現在の西大畑公園・新潟地方法務局・新潟市美術館などがある一帯には、現在の新潟市江南区に移転する昭和40年代まで新潟刑務所があった。その歴史は古く、江戸時代にまで遡る。

かつて刑務所があった西大畑公園や新潟西年金事務所の壁の一部には、いまも当時の刑務所のレンガが使われており、かつての公園の入口には刑務所の正門がミニチュアで復元されている。
「天国」と「地獄」が隣り合わせ
小路を隔てて、かたや古町芸妓と華やかな宴会三昧。一方、反対側では、受刑者が罪を償う刑務所があったのだ。
倉地さんによると、酔っ払った料亭の客が収賄などの罪で服役中の知り合いの名前を呼んでみたら、塀の向こうから返事があったなどの逸話も残っているそう。

まさに天国と地獄が隣り合わせになったような道。
いつしか人々はこの道を「地獄極楽小路」と呼ぶようになったんだとか…。

道を挟んで高級料亭と刑務所。一寸先は闇と言うが、なんとも考えさせられる道の名前だった。
(NST新潟総合テレビ)