冬の寒さの足音が聞こえてくる中、きのうまでに4日間連続で続いている、湿度約50%未満の“乾燥した日”。

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乾燥によって引き起こされる様々な人体への影響。さらに、その乾燥を和らげようとする加湿器の使い方を誤ることで、恐ろしい病気にかかってしまう事例もあるといいます。

実際に、宿泊先の加湿器が原因で、「加湿器肺炎」と診断された女優の矢沢心氏が当時の様子を語りました。

乾燥による体の異変と「加湿器肺炎」

通常、人ののどは粘膜や粘液によって保護されていて、ウイルスや細菌の侵入を防いでいます。

しかしこれが“乾燥”によって乾いてしまうと保護しているバリア機能が低下、のどを直接刺激し、炎症や感染症にかかりやすくなるといいます。

さらに、乾燥によって目を覆う涙が乾くことで、かゆみや痛みを伴う「ドライアイ」の症状を引き起こすことも。

これらの症状を引き起こさないためにも、乾燥する季節に保湿は大切ですが、そのために使用する「加湿器」にも注意が必要です。

「めざまし8」のゲストコメンテーターでもある矢沢心氏は、宿泊先の加湿器が原因で、体に“ある異変”が起きたと言います。

矢沢心氏:
ちょうど旅行に、温泉にいった場所で2泊したんですけれども。その帰りに明らかに普通の風邪ではないコホコホというような“せき”が出始めて。ちょっと違和感があるような感じで、変なせきが出るんだよねっていう相談を夫にしたことを覚えていまして。「あれちょっとおかしいな?」と思って。「風邪かな?でも風邪っぽくないんだよな。別に体も火照っている訳ではないし暑くないし。ただこのせきだけが変だよね」っていうところからどんどん悪化していった様な感じですね。

宿泊先から帰ると、風邪のような症状に見舞われた矢沢氏。せきや痰が止まらず薬を飲んでも効果が無かったといいます。さらに…。

矢沢心氏:
レントゲンを撮ってもらうと、(せきのしすぎで)肋骨の右側が2本ひび入っていて、左が1本ひびが入り骨折もしていると。それぐらいせきをしながら、カバーしながら痛みとせきの症状が苦しくて…「気管支性肺炎」と「アレルギー性肺炎」だと言われたんですね。(完治後)最終的に、先生とお話しして「あれは加湿器肺炎だったよね」と。

医師から告げられた「加湿器肺炎」という病名。

近畿中央呼吸器センター・呼吸器内科の倉原優氏によると、「加湿器肺炎」とは、加湿器内でカビなどが発生した状態で放出されたものを吸い込むことで、肺にアレルギー反応が引き起こされ発症する肺炎だといいます。

アレルギー性の肺炎で、感染症ではないため、風邪薬や抗生物質などが効きません。

矢沢心氏:
まさかここまでの症状になるとは、思いもしなかったですね。宿泊した部屋がものすごく乾燥していたんですね。2台くらいその部屋に加湿器をたいていて、そういう場所での加湿器の状態がどういう感じかは分からないんですけれども…。自分の家で気をつけているだけじゃなくて、行く様々な場所でのチェックというのは、本当に気をつけなければいけないことなんだなと思いました。

「加湿器肺炎」の診断には胸部のCT検査を行う必要があるため、小さなクリニックなどでは診断が難しいといわれています。そのため、風邪や細菌性肺炎と診断されてしまうことも…。

実際に、矢沢氏も当初は「風邪」と診断され続けて、アレルギー性の肺炎であると診断されるまでに約1カ月かかったと話しています。

「加湿器肺炎」を引き起こす、加湿器内のカビなどは、水を入れてから4~5日目から汚染が進むため、なるべく水は毎日交換し、週1回程度の洗浄が大切です。

また、入れる水はミネラルウォーターよりも、塩素処理がされ微生物が増殖しにくい水道水が推奨されています。
(めざまし8 11月22日放送)