シンガー・ソングライターの伊東洋平さんが“平和を願う”楽曲を制作

75年前の7月10日、仙台空襲があった。
宮城・仙台在住のシンガー・ソングライターの伊東洋平さん(39)が、小学生711人の言葉をもとに、平和を願う歌を作詞・作曲。子どもたちを前に、その歌を初めて披露した。

仙台市青葉区にある仙台市立立町小学校にやってきたシンガー・ソングライターの伊東洋平さん(39)。

シンガー・ソングライター 伊東洋平さん:
早くみんなに会って、聴いてもらえることが楽しみ

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宮城野区で育った伊東さんは、2005年から仙台を拠点に、さまざまな楽曲を発表している。

今回、仙台市の依頼で新たに作詞・作曲した「優しさの色の歌」。15年の音楽活動の中で、初めての「挑戦」をした。

ーー「戦争」テーマの歌を作ったことは?

シンガー・ソングライター 伊東洋平さん:
ないですね。簡単に触れてしまってはいけないような感覚があったのと、児童と一緒に、僕も学ばせてもらった

児童711人の平和を願うメッセージから作詞

伊東さんは、2019年2月に立町小などで、仙台空襲についての特別授業を実施。

その後、市内の児童711人が書いた平和を願うメッセージから、伊東さんが言葉を紡いで、歌詞を作った。

シンガー・ソングライター 伊東洋平さん:
メッセージを見たときは驚きました。「平和は続くものじゃなく続けるんだ」と書いてあるものとか、「優しさがあれば戦争はなくなる」。「色」を多く表現している人もたくさんいて、「優しさの色ってどんな色だろう?」と歌いながら感じてほしいという願いを込めて、「優しさの色の歌」としました

立町小の児童に「優しさの色の歌」初披露

そして、7月9日。伊東さんと2019年に、平和について学んだ立町小の6年生が集まり、「優しさの色の歌」が、子どもたちに初めて披露された。

シンガー・ソングライター 伊東洋平さん:
僕、全部見てるから。ほかの学校のみんなのも含め、711枚、毎晩、見ている。だから、みんなの言葉は全部入っています。この歌の歌詞にも、みんなの書いてくれた言葉が入っているって、そこだけ気持ちにおいて聞いてもらえたらうれしいです

「優しさの色の歌」
知らなかった
青葉きらめく大好きなこのマチが
戦争の赤に染まった夜があったなんて

つらかったでしょう?だけど安心して
青空のあなたへ届くように想いを誓うよ

優しさの色乗せた歌で
悲しみとも手を繋げば
和らいでいくでしょう
あたたかいでしょう
溢れる涙が映すのは未来
続いていくものじゃなくて
この手で描き紡いでいくんだ
ぼくたちへ明日へ虹色の架け橋を

75年前、炎に包まれた仙台…紡がれる平和への願い

立町小学校は、仙台空襲で校舎が全焼。当時、通っていた小学生16人が犠牲になった。
仙台が75年前、炎に包まれ、1,000人以上の市民が亡くなったこと。子どもたちは学び、言葉を紡いだ。

女子児童(6年生):
わたし、伊東洋平さんのセンターで聴いていたので、一番近いところで聴けたから、もう二度と戦争はしちゃだめだというのがすごく伝わってきた

女子児童(6年生):
(メッセージには)「優しさを忘れないで戦争はしない方が良い」と書きました。すごく良い歌詞だったので、歌い継いでいきたい

男子児童(6年生):
空襲を受けて亡くなった人たちの分も、やっぱり生きたい

シンガー・ソングライター 伊東洋平さん:
戦争のことを考えるきっかけだったり、それを通じて、平和や日常の当たり前のように感じる、1日1日の日常の大切さを感じてほしい

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(仙台放送)

仙台放送
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