「電話恐怖症」という言葉を聞いたことがあるだろうか。今、20~30代の社会人の7割が電話に対して苦手意識があることが調査で明らかになった。

AI電話自動応答・取り次ぎサービス「ミライAI」を開発・提供するソフツーが今年8月、20歳以上の社会人男女562人に、オンラインで「電話業務に関する実態調査」を実施。

この中で「電話に対して苦手意識を感じていますか?」と質問したところ、全体の24.2%が「とても感じる」、33.6%が「やや感じる」と回答し、合計57.8%が電話に対して苦手意識を持っているという結果になった。

20~30代の72.7%が電話に苦手意識を持っている(画像はイメージ)
20~30代の72.7%が電話に苦手意識を持っている(画像はイメージ)
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なかでも20代(218人)は、34.4%が「とても感じる」、40.4%が「やや感じる」と回答し、合計74.8%となり全世代中で一番多いことがわかった。また、30代(50人)は、「とても感じる」「やや感じる」がともに32%で合計64%となり、20代の次に多かった。

全世代のうち、この20代と30代に絞って見ると電話に苦手意識を持っている人は72.7%となったという。

年代が上がるごとに苦手意識が減少

一方、それ以上の世代で「とても感じる」「やや感じる」と回答した合計はそれぞれ、40代(101人)が56.4%、50代(115人)が44.3%、60代以上(78人)が28.2%となり、年代が上がるほどに減っていった。

なぜこのような結果になったのだろうか。若者世代の電話への苦手意識はどこから来るのだろうか。ソフツーに聞いた。


――アンケートを実施したきっかけは?

弊社では、代表電話が鳴ってもなかなか取る人がいないことが問題になっていました。特にテレワークが導入されてからは「誰かが取ってくれるだろう」という気持ちからか、その傾向に拍車がかかって固定電話が鳴りっぱなしになってしまうことも。SNSなどで調べてみたところ、こうした問題を抱えているのは弊社だけではないことがわかりました。

SNSでは数年前から“電話恐怖症”が話題になっているのですが、それが電話を取りたがらない一因になっているのではないかと考え、実際はどうなのか数値化してみようと、今回の調査案件を実施しました。


――20~30代の7割以上が電話に苦手意識を感じているという結果についてどう感じた?

今の20~30代はプライベートでも仕事でも主にチャットを利用してやりとりをしており、電話をする機会が少ないことから考えると、予想どおりでした。

「後から削除できない」特性にプレッシャー

――若者世代は、電話のどんな点に苦手意識を持っているのだと思う?

このアンケートで、オフィスで固定電話が鳴ると不快に感じる理由を尋ねたところ、全年代を通して一番多かったのは「集中力が途切れ業務効率が悪い」でした。一方で、20代がほかの世代よりも多く上げた理由が「自分の知識で正しく回答できるか不安」と「上司にうまく取り次ぎできるか不安」でした。

電話はチャットと違い、わからないことや言葉遣いをしっかり確認する時間がないことや、後から修正したり削除したりすることもできません。この電話の特性が、電話に慣れておらず業務の経験も浅い若い世代にとってプレッシャーになってしまうのです。

チャットは考える時間を持てる(画像はイメージ)
チャットは考える時間を持てる(画像はイメージ)

――若者世代はプライベートでも電話に苦手意識を持っていると思う?

仕事の固定電話ほどではありませんが、そういう傾向はあるでしょう。若者世代に電話が好まれない理由は、かけるほうの都合が優先され、受けるほうの都合がないがしろにされてしまうことにあるようです。

具体的には、電話がいきなりかかってきた場合、受けるほうは緊急性が高いのかそうでないのかわからないことがストレスになります。また、若者世代はタイパ(タイムパフォーマンス)意識が高いと言われていますが、緊急性の低い電話で時間を取られてしまうことに不快感を感じる人もいるのです。

20~30代女性の意識は職種にも関係?

――電話に対する意識に年代・性別ごとの特徴はある?

調査では、年代が下がるごとに電話に苦手意識を持つ人が多くなっていく傾向がありましたが、中でも20~30代の女性が特に多くなっていました(20代女性136人のうち苦手・やや苦手の合計が78.7%、30代女性22人のうち、苦手・やや苦手の合計が77.3%)。

その理由の一つは職種にあるのかもしれません。「電話に対して苦手意識をとても感じる・やや感じる」と答えた20~30代女性の職種を見ると、事務系やサービス販売系などの電話対応の頻度が高い職種が多い傾向にありました。

一方で、ベテラン世代(40~60代以上)は電話への苦手意識が比較的低かったわけですが、理由としては、世代的にも電話に慣れていること、経験によりどんな問い合わせが来るかがある程度想定できること、若手に取り次いでもらう機会が多いことが考えられます。

20~30代の女性は特に電話に苦手意識を持っている(画像はイメージ)
20~30代の女性は特に電話に苦手意識を持っている(画像はイメージ)

――ベテラン世代が、若者の“電話恐怖症”に配慮したほうがいいことは?

SNSでは、電話対応が嫌で退職したと発信している若者もいます。ベテラン世代が考えている以上に、電話対応が若手にとってプレッシャーになっている可能性があることは意識しておいたほうが良いでしょう。

また、電話を取る人や部署が固定化されて、負担が偏っていないかにも気を配ってみてください。電話対応は、若手や営業、管理部などに偏りがちですが、親切心からいつも同じ人が対応をしているという場合もあります。

今回の調査から、一人が年間で電話に費やす時間は約93.6時間であるという試算もできましたので、業務改善の参考にしていただければと思います。

電話対応で作業の手が止まってしまう(画像はイメージ)
電話対応で作業の手が止まってしまう(画像はイメージ)

若者の“電話恐怖症”の原因は、習慣のほかにも、仕事の経験の浅さや取り次ぐ人とのコミュニケーションの問題もあるようだ。ベテラン世代やマネジメント層はこのことを念頭に、フォローしたほうがいいのかもしれない。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。