手袋が必要なくなる? 「触れずに触れられる」パネル

空中に浮かぶ半透明のモニターを、指先でスイスイと操作する…SF映画などで見かけるこんなシーンが、現実のものになるかもしれない。

株式会社博報堂プロダクツが提供を開始した、その名も「エアータッチパネル」
黒いモニターのようなものの前にパネルが浮かび上がり、それに指で“触れる”ことで操作が可能となっている。

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この「エアータッチパネル」、“近未来のアイテム”を感じさせるビジュアルだけでもわくわくしてしまうが、注目すべきなのは新型コロナウイルスの感染予防に一役買いそう、ということ。

感染防止策として、電車内のつり革やドアノブなど、不特定多数が触れる場所は消毒が必須になりつつあり、また、個人でもゴム製の手袋を持ち歩いたりと対策をしている人は多いだろう。

不特定多数が触れるといえば、タッチパネルも同じだ。イメージ図には図書館での利用シーンが例に挙がっているが、在庫検索や貸し出し登録を機械で行っている図書館では多くの利用者が同じ機械を操作することで「もしかしたら、ウイルスがついているかも…」と不安になってしまう人もいるはず。

そんな時、空中で操作し機械に触れる必要のない「エアータッチパネル」が導入されれば、こまめに消毒をする必要もなくなり、感染リスクは軽減するはずだ。

図書館での使用イメージ

SNSではさっそく「今、不特定多数の人がふれるものに触るのは気がひけるから需要高そう」「普通のタッチパネルには指の代わりに鍵などで触っていたから、早く普及してほしい」などの声が挙がっているが…

誰もが一度は体験したい!と思ったことがあるだろうこの技術、“withコロナ”の時代にどう広まっていくのだろうか。
その仕組みなどと併せて、博報堂プロダクツにお話を伺った。

withコロナ時代に「非接触」の技術がマッチ

――「エアータッチパネル」を開発したきっかけは?

以前より、博報堂プロダクツ関西支社では、空中浮遊映像技術をエンターテインメント的な空間演出コンテンツの一つとしてクライアントに提案していました。
コロナ禍において、「非接触」というワードが世に出るにつれ、この技術を改めて見直し、空中浮遊映像が「非接触」のwithコロナソリューションに応用出来ると確信し、開発しようと思ったのがきっかけです。総合制作事業会社として培ってきた知見とノウハウを活かし、少しでも低コストで世に提供出来ることをめざしています。


「エアータッチパネル」には、3D映像が空中に浮かび上がって見える特殊プレート「パリティミラー300」が使用されており、その他、浮かんだ映像に触れた手の動きを感知するモーションセンサー、映像モニター、小型PCを搭載している。

この「パリティミラー300」は「空中映像・空中ディスプレイ」の研究開発を行っている株式会社パリティ・イノベーションズが開発した、置くだけで空中映像化できる光学素子
例えばスマートフォンをこのパリティミラーの下に置くことで、スマートフォンの画面を空中に浮かせることが可能になる。
この技術を利用し、小型PC内の映像モニターに映した画像と指の位置を感知するモーションセンサーを組み合わせて、“空中に浮かぶタッチパネル”を創り出しているのだ。

ちなみに、このパネルは指以外にタッチペンなども感知ができるという。

もともとは“エンターテインメント”として空中浮遊映像の技術を扱っていたという博報堂プロダクツだが、「非接触」が重視されるwithコロナ時代の需要にマッチしたことが、今回の「エアータッチパネル」開発につながったようだ。

病院や銀行にも導入される可能性

――今後、「エアータッチパネル」はどんな場面で活躍する?

病院や銀行などの受付端末、飲食店のメニュー端末、図書館や書店、商業施設などの検索端末、コンビニの年齢確認タッチパネルなど、不特定多数の人たちが集まる空間のあらゆる場面で活用が出来ると考えております。

病院での使用イメージ

――公共の場以外でも「エアータッチパネル」は使えるようになる?

弊社としては、BtoCのソリューション化は現状考えておりません。あくまでもBtoB向けのソリューションに特化して提供してまいります。

飲食店での使用イメージ

これまで培われてきた技術やアイデアが“新しい生活様式”を支えるツールに生かされる時代。
“withコロナ”の生活を、このような新たなツールとともに乗り越えていくべきなのだろう。
 

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