クマ被害が相次いでいる秋田県で、10月19日、病院の敷地内にクマが侵入する事態が発生しました。

秋田・由利本荘市、病院の玄関で暴れているのは“子グマ”です。

興奮した様子で、ガラス越しに威嚇するような動きをするクマ。

撮影者によると、病院の敷地内に侵入したクマは、開いた玄関から屋内へ侵入。駆け付けた警察により閉じ込められ、その後、駆除されたといいます。
なぜ人里に子グマだけが?今後増える可能性も
なぜ、ここまで人がいる場所に侵入してしまったのでしょうか?

クマの生態に詳しい、石川県立大学環境科学科特任教授の大井徹氏によると、侵入した子グマは“親を失った個体”ではないかといいます。

石川県立大学 大井徹 特任教授:
(映像を見ると)まだ親離れしていないクマです。子グマというのは、2月に生まれ、それから一年半親グマと一緒に行動します。目撃された時に親グマだけが隠れていたという可能性はありますが、秋田などではたくさんのクマが駆除されています。
そのため、母グマが駆除されて、子グマだけで活動せざるを得なくなった場合も多いと考えられます。母がいないとなると子グマは、人間の怖さを知らないわけですので、大胆な行動になってしまう場合があります。
さらに、大井氏が注目したのは、27日に同じ秋田県内で撮影されたある映像です。

2匹の子グマが、二番穂と呼ばれる稲を食べています。付近に親グマらしき姿は見えず、撮影者に驚く様子もありません。

石川県立大学 大井徹 特任教授:
映っていた子供たちは親離れをする前の大きさなので、近くにやっぱり絶対親がいるはずです。しかし、その親の姿が見えない…かつ、子供たちが大胆に人目にさらされるような行動をしているということから、これは親のいない、親が駆除されてしまったのではないかということが強く疑われます。
そういった子グマが生き延びて、人里の餌の味を覚え、人間の怖さを知らない、そういった状態になると、また餌不足の時に人里に出てきたり、通常の年でも人里に居着いてしまうようなクマが、増える可能性もあります。
(めざまし8 10月30日放送)