10月29日(日)東京競馬場で第168回天皇賞(秋)が行われる。
今年は競馬法の制定から100周年にあたり、天皇陛下が観戦されることが発表された。
陛下の競馬観戦は2014年の日本ダービー以来9年ぶりで、「天覧競馬」は2012年の上皇ご夫妻以来11年ぶりとなる。

その天皇賞(秋)の注目は、何といっても“世界最強馬”イクイノックス(ルメール騎乗)の連覇なるかだ。
GI 5連勝へ”世界最強馬”イクイノックス
去年のクラシック皐月賞(GI)と日本ダービー(GI)で2着に敗れ、「冠」に届かなかったイクイノックス。
クラシック最終戦の菊花賞(GI)へは向かわず、天皇賞(秋)に参戦し、歴戦の古馬を一蹴、初のGIタイトルを手に入れた。続く年末の有馬記念(GI)でも勝ち、2022年JRA年度代表馬に選ばれた。

今年に入ってからもイクイノックスの勢いは止まらない。3月にドバイで行われた国際競走、ドバイシーマクラシック(G1)では海外の強豪馬を相手に逃げ切り、世界レコードで圧勝。
“凱旋レース”となった6月の宝塚記念(GI)でも勝利を収め、GI4連勝を決めた。

競走馬のランキングを表す「ロンジンワールドベストレースホースランキング」のレーティングでも「世界1位」に格付けされるなど、現役競走馬で“世界最強馬”と称されるのがイクイノックスなのだ。
そのイクイノックスがシンボリクリスエス(2002・2003年)、最強牝馬・アーモンドアイ(2019・2020年)以来、史上3頭目となる天皇賞(秋)連覇、そしてGI5連勝を決められるか、注目される。
ダービー以来”運命の再戦”ドウデュース
イクイノックスを2022年の日本ダービーで破り、3歳世代の頂点に立ったのがドウデュース(武豊騎乗)だ。

ダービーをレコードで制したドウデュースは、その年の10月、パリロンシャン競馬場で行われた世界最高峰のレース凱旋門賞(G1)に挑んだが、世界の壁に屈し19着に終わった。
帰国後、立て直しを図るべく挑んだ今年2月の京都記念(GⅡ)では、他の馬を寄せつけない圧巻の走りを披露した。

ドウデュースは京都記念以来、約8カ月ぶりのレースとなるが、歳を重ねてからの成長が著しいハーツクライ産駒であることを考えると、長い休養を挟み、さらに成長した姿が期待できる。
ダービー馬・ドウデュースが“世界最強馬”となったイクイノックスを再びねじ伏せることができるのか。こちらも注目だ。
再戦へ「その時がきた」と「リベンジ」
ドウデュースとデビューからコンビを組むのが武豊騎手。25日、栗東トレーニングセンターで報道陣の質問に答えた。

――久しぶりにドウデュースを見て
筋肉がすごいなって思いますね。栗東に帰ってきて、最初に見た時は驚くくらいムキムキになっていました。
――東京・芝2000mのコース適性は
ドウデュースにとってはすごくいい舞台だと思います。東京は実際に結果も出ていますし、距離は1600m(朝日杯フューチュリティステークス)でも、2400m(日本ダービー)でもGIを勝っているので2000mは全く問題ないです。

ライバル馬・イクイノックスについてもこのように語った。
――イクイノックスの成長について
すごいな、強いな、と思って見ていましたね。
――イクイノックスとの再戦について
「世界No.1」と言われている同期の馬ですから、去年のダービー以来、一緒に走れるのは楽しみですね。ドウデュースで「いつかもう一度」っていう気持ちはありましたので、ようやくその時が来たかなって感じですね。
イクイノックスとデビューからコンビを組むルメール騎手はドウデュ―スとの再戦に意欲を見せた。

――ドウデュースとの再戦について
去年のダービーでイクイノックスは負けましたけど、その時はまだ大人じゃなかったし、まだ緩く、タフじゃなかった。今年からは違う馬ですね。イクイノックスは強くなりました。リベンジできると思います。

――イクイノックスについて
イクイノックスは何でもできますね。2000mから2500m、前のポジションから後ろのポジションまで。最後はすごく良い脚を使えますので。

”世界最強馬”の連覇か?世代王者の意地か?
11年ぶりの「天覧競馬」。レース後、陛下に敬礼するのはどのジョッキーか。
天皇賞(秋)は、10月29日(日)15時40分に発走する。
みんなのKEIBA 天皇賞(秋)・GI
10月29日(日)15時から生中継
https://www.fujitv.co.jp/sports/keiba/index.html