“タケノコ発言”に揺れる静岡県の沼津市議会。渦中の人物は、議会での謝罪を求められた江本浩二市議(62)だ。

「陳謝文は読み上げられない」12時間続き議会空転

10月16日に開かれた沼津市議会本会議で、江本市議は「陳謝文をそのまま読み上げることはできません」と述べ、議長から「江本議員!江本議員に申し上げます。今、懲罰の陳謝文を読む時間ですから」と注意を受けた。

この発言後、議長から「今、懲罰の陳謝文を読む時間ですから」と注意を受けた(10月16日)
この発言後、議長から「今、懲罰の陳謝文を読む時間ですから」と注意を受けた(10月16日)
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混乱した本会議は約12時間続き、最後は江本市議に退席が命じられた。

江本浩二市議:
(陳謝文を読み上げたら)タケノコ泥棒の議員というイメージを背負っていかなければならないんです

当選5回のベテランである江本市議(62)
当選5回のベテランである江本市議(62)

当選5回のベテランである江本市議。事の発端は、江本市議と同じ会派に所属する山下富美子市議が、市の土地を勝手に駐車場として貸し出し、不当に利益を得ていたとされる問題だった。

山下市議を擁護する形で、江本市議が放った発言が問題視されたのだ。

江本浩二市議(9月27日の発言):
実は、私の農地の中にも市の土地が存在しています。毎年タケノコを掘って、利益を得ています。販売したりしています

山下市議を擁護する形で放った「私の農地の中にも市の土地が存在しています。毎年、タケノコを掘って利益を得ています」という発言を問題視
山下市議を擁護する形で放った「私の農地の中にも市の土地が存在しています。毎年、タケノコを掘って利益を得ています」という発言を問題視

この発言で懲罰特別委員会は江本氏に対し、議場で謝罪の言葉を述べる「陳謝処分」とすることを可決。迎えた陳謝処分の機会が、深夜まで続いた16日の本会議だった。ところが…

「陳謝文をそのまま読み上げることは、言論の府である議会をおとしめること」として謝罪を拒否
「陳謝文をそのまま読み上げることは、言論の府である議会をおとしめること」として謝罪を拒否

江本浩二市議:
陳謝文をそのまま読み上げることは、言論の府である議会をおとしめること、そして私の人格を尊厳をも自らおとしめることになります

1人の議員が、1日に2度も懲罰を科される異例の事態に
1人の議員が、1日に2度も懲罰を科される異例の事態に

江本市議が謝罪を拒否したことで再び懲罰特別委員会が開かれ、今度は陳謝より重い「出席停止」1日の処分が可決。1人の議員が、1日に2度も懲罰を科される異例の事態となった。

それでも江本市議は、開き直りともとれる発言を繰り返していた。

江本浩二市議:
(懲罰は)すべて勲章だと思っています

そうした中で17日、事の発端となった山下市議が会見を開いた。市の土地を貸し出して利益を得ていたとされる問題で、市が山下市議を提訴するという、16日夜の決定に強く反論した。

事の発端となった山下市議が会見し、市が山下市議を提訴するという決定に強く反論(10月17日)
事の発端となった山下市議が会見し、市が山下市議を提訴するという決定に強く反論(10月17日)

山下富美子市議:
提訴されれば、もちろん応訴はいたしますが、その前に十分な話し合いをしていただきたい

約12時間にも及んだ本会議だが、“タケノコ発言”そのものが撤回されることはなかった。
(「イット!」10月17日放送)

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