秋も深まり、キノコ狩りのシーズンがやってきた。新潟県妙高市では、専門家によるキノコ講習会が開かれ、愛好家が採ったキノコを鑑定した。夏の猛暑に見舞われた新潟では、キノコにも異変が起きているようだ。
キノコ講習会 イタリアからの参加者も!
10月12日に妙高市で開かれたキノコ講習会。
この記事の画像(14枚)この講習会は毒キノコによる食中毒を防ごうと開催されたもので、キノコ愛好家70人が参加した。参加者はさっそくキノコ狩りを開始!
参加者:
たぶん食べられない
参加者:
色はきれいだけど。食べたいよね、お味噌汁に入れて
鮮やかな赤いキノコやシメジに似たキノコなど…参加者は期待を胸に約2時間、キノコ狩りを楽しんだ。
中には、イタリアの各地を愛犬とともに回り、キノコ狩りを楽しんでいるというイタリア人のエリアメッシーナさんも参加していた。
エリア メッシーナさん:
毒キノコかも
メッシーナさんの友人:
毒っぽいけど、きれい
イタリアで磨いたキノコ採りの腕前を妙高市でも発揮しようと奮闘。キノコ狩りが終わると、早速、専門家によるキノコの鑑定が始まった。
採ったキノコ 鑑定結果は…
日本菌学会 滝沢博さん:
食べられるのは、これ1個
エリア メッシーナさん:
わははは、ベリーグッド
食用に適したナラタケをゲット。
イタリアでも好まれるポルチーニに似たキノコは、日本菌学会の滝沢博さんによると「ポルチーニの仲間だが、すっぱい」と言う。ホウベニシロアシイグチという酸味が強く好みが分かれるキノコだった。
やはり、自然の中に生えている多くのキノコから食べられるものを選ぶのは難しいようだ。
キノコにも猛暑の影響…鑑定難しく
県内では2022年、毒キノコによる食中毒が2件6人報告されている。県内で食中毒の原因となった上位は、ツキヨタケ・ドクササコ・クサウラベニタケの3種類。
特にドクササコは、メッシーナさんが採ったナラタケと間違い、食べてしまう事故が3年前に発生している。
そして、猛暑に見舞われた今年はキノコにも異変が…滝沢さんは「今年の特徴は、小さいキノコが大きかったり、大きいキノコが小さかったりする。図鑑で色合わせとか大きさとかで合わせちゃだめ」と話す。
滝沢さんによると、毒キノコが通常より大きく育つなど、猛暑の影響とみられる異変が起き、さらに鑑定が難しくなってきているという。
講習会で参加者に振る舞われたのは、もちろん鑑定済みのキノコ汁。メッシーナさんも「キノコ汁が好き。おいしい」と舌鼓を打っていた。
県の生活衛生課・白井和也課長は「似たようなキノコがたくさんある。鑑別が大変重要。専門家でも難しいところがあるので、キノコをよく知っている方に聞いて確認したうえで召し上がってほしい」と注意を呼びかけた。
県は見分けのつかないキノコは食用を避けるほか、キノコを人にあげたり、もらったキノコを食べないよう呼びかけている。
(NST新潟総合テレビ)