2023年度のベビーシッターの利用割引券が、10月で39万枚分の予算の上限に達し、新規の発行が停止されたことがわかった。

しかし配布が終了したものの、まだ利用されていない割引券が約19万枚あるという。

ベビーシッター利用割引券が配布終了

政府が支援する2023年度のベビーシッターの利用割引券が、配布枚数が10月で予算の上限に達し、年度の半ばで新規の発行が停止されたことがわかった。

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ベビーシッターの利用割引券をめぐっては、2023年度は昨年度と同じ39万枚分の予算を確保していたが、10月2日ですでに上限に達した。

加藤こども政策相:
利用済みの割引券は、39万枚のうち20万枚弱となっており、対応策を至急検討するよう事務方の方に指示をさせていただいているところでございます。

加藤こども政策担当大臣は会見で、割引券の追加発行はせず、利用されていない約19万枚を有効に活用するための対応策を検討していく考えを示した。

このニュースについて、政治部の西垣デスクがお伝えする。割引券が突然終了したということで、番組にもこんな声が寄せられている。

4人の子供がいる正社員・共働き30代女性:
半年で制度が打ち切られるなんて…。月5万円ほどあった補助が突然0になる。政府がこのような対応はあまりにもひどいのではないでしょうか。

財源は「子供・子育て拠出金」

そもそも、この割引券はどのようなものなんだろうか。

内閣府が2016年度に始めたもので、いまは加藤大臣のこども家庭庁で行われている制度だ。

子ども1人を預ける場合、1回につき最大4400円割引きを受けられるもので、1家庭で1カ月、最大5万2800円の割引きが受けられる。

ベビーシッター割引券をどう貰うかというと、働いている企業が「全国保育サービス協会」に依頼すると配布され、企業から利用者に配られる。財源は政府が企業から徴収した「子供・子育て拠出金」だ。

割引券の利用推移を見ると、2020年以降、コロナ禍の一斉休校などを受け右肩上がりとなっていた。

2023年度は、9億6800万円の予算を用意したが、配布枚数が上限の39万枚に達し、予算が底をついたため配布終了となった。しかし、配布が終了したものの、まだ利用されていない割引券が約19万枚あるという。

この19万枚を足りない人が使えば良いと思われるが、政府関係者によると、各企業は手数料を払って割引券の分配を受けている。そのため、返却しても手数料が戻らないので、企業が返すことはなく、再分配されない仕組みだ。

そのため、割引券を持っている企業と足りない企業が出ている。

昨年度は補正予算を組んで対応

これについて、3日に加藤大臣は「まず、この19万枚を有効利用してもらう対策をする」と話していた。

19万枚が無駄にならないよう、割引券を持っている企業が一度協会に返し、足りない企業に配布するなどの方法が検討されている。  

期間がまだ半年残っているため、19万枚を有効利用できたとしても、それでも足りなくなる可能性がある。

実は、2022年度は当初の予算を使い切り、補正予算を組んで対応した。当初は予算の6億3000万円に加えて、秋の補正予算で3億1000万円を計上し、あわせて39万枚分の予算を確保した。

岸田首相は、10月中に補正予算をまとめる考えだ。自民党関係者は、来週補正予算のメニューの議論を行うとしていて、補正予算にベビーシッター割引券の予算が入るかどうか、今後の議論次第となっている。
(「イット!」 10月4日放送より)

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