経済同友会の新浪剛史 代表幹事(64)は3日、性加害問題をめぐり事実上の解体や社名変更を発表したジャニーズ事務所の対応を受け、「まずは前進した」とした一方で、「被害者がきちっと救済されるのが大前提。見届ける必要がある」と述べた。
ジャニーズ事務所は2日、故・ジャニー喜多川元社長の性加害問題を受けて2回目の会見を開き、事実上の解体を発表。会見ではそのほかにも、新会社の設立や社名の公募などが明らかになった。

翌3日午後3時半すぎに開かれた経済同友会の定例会見で、ジャニーズ事務所の対応について記者から質問された新浪氏は、事務所が会社を2つに分けたこと、社名を変更することについて「まずは前進」と評価。
一方で、「一番重要なのは被害者がきちっと救済される」ことだと述べ、被害者全員が救済されるか見届ける必要があるとし、「考え方は大変いいが、(被害者救済が)実際に実現していく姿をみていかなくてはいけない」と指摘。
東山紀之社長が社名変更後の「SMILE-UP.」、新会社の両方の社長に就任することについても言及し、「新会社も再発防止のために、どういうガバナンスで行われるか見ていかなくてはいけない」と話した。
記者から「年単位で見ていかなくてはいけないと考えているか」と質問が飛ぶと、「年単位ではなく、救済は早くやらなければいけないと思う」「救済することで、早くタレントの方々が活躍できる場を作ることが必要。早く提案され、実行されることを望んでいる」と、速やかな対応を求めた。
広告などへのタレント起用については「今後どういう契約になっていくのか、まだ詳細を把握していない。状況を見極めた上で、判断していくべき」とした上で、「再開するというモードにはなっていない」とした。

ジャニーズ事務所は9月7日に初めて会見を開き、性加害の事実を認め謝罪。
新浪氏はこれに対して9月12日、「本当に真摯に反省してるのかどうか大変疑わしい」と厳しい発言。「Child abuse(児童への性加害)というのは絶対あってはいけない」とした上で「断固として毅然たる態度を企業として示さなくてはいけない」と強調し、新浪氏が社長を務めるサントリーHDは「納得いく説明があるまでは、ジャニーズ事務所との新たな契約を結ばない」とするなど、影響が広がっていた。