この夏の記録的な高温と水不足で、 新潟県の米作りに大きな影響が出ています。
収穫されたばかりのコシヒカリは、猛暑の影響で米が白く濁り、家畜用の「くず米」になってしまうものもあるそうです。
農事組合法人ぼうがね 外立軍一郎組合長:
収穫量としてはもう6割だもん。質も悪くてよう…。
米農家からは、猛暑による被害を嘆く声が上がっています。
この記事の画像(14枚)「めざまし8」が8月末に取材した米農家は、田んぼが干上がり、稲がほとんど枯れた状態で、米の生育が心配されていました。
9月27日、再び同じ米農家を取材すると、実ったコシヒカリが収穫されていましたが…、
地元農家 尾﨑実さん:
もう検査すら受からない…。
ディレクター:
家庭に出るご飯にはならない?
地元農家 尾﨑実さん:
ならない。
一般的に食卓で並ぶような米は例年よりもずっと少ない状況だといいます。
さらに…
地元農家 尾﨑実さん:
米は等級が一から二等がつき、普通は大体が一等米なんですが、今年は半分以上が二等米です。なかなか過去にないですね…。
例年、こちらの農家では、「形が整っていて」「透けるような色味の米」の割合が全体の7割以上を占める米=「一等米」がとれるのですが、今年は、収穫できた半分以上の米が濁ったり、欠けたような形が目立つ「二等米」になってしまっているというのです。
比較すると、米の透明感に差があることがわかります。
味は変わらないとのことですが…
地元農家 尾﨑実さん:
二等米に下がるとだいたい一袋(30㎏)500円くらい下がりますね。被害は250万円…300万円。
米の等級が下がると価格も安くなるため、収入が大きく変わってしまったといいます。
猛暑の影響でニンジンの価格は2倍にも
食卓の定番野菜も、猛暑の影響を受けています。
埼玉県のスーパーを取材すると、高温と水不足による野菜の品質低下への理解を求めるポップが貼られていました。
やましろや本庄店 山口貴司 店長:
まず近況ですごく値上がりしているのはニンジンです。北海道とかで高温で溶けているような状況で品薄が続いております。
例年の約2倍の値段になっているニンジン。高温障害によって品薄が発生し、価格が高騰しているというのです。
利用者:
高いですよね!(もっと)安い方がいいかな…
農林水産省が先週金曜日に発表した東京都中央卸売市場における卸売価格では、ニンジンが平年よりも60%、トマトも48%上昇していました。
群馬県の農家を取材すると、他にも影響を受けている野菜がありました。
長沼農園 長沼芳憲さん:
ネギにも影響が出てしまっていますね。白根が太ってきて収穫を迎えるんですけど暑さの影響によって太りが遅れています。通常ですと10月の上旬から収穫を迎える予定だったんですが1カ月程度遅れていまして…。
今、卸売価格が36%も上がっているネギ。高温の影響で収穫が遅れているといいます。
長沼農園 長沼芳憲さん:
暑さによって病気が発生しやすい。高温多湿の環境で菌が動いて…。間が空いてしまっているところはすでに病気で溶けてなくなってしまっている。
群馬県・伊勢崎市内のミニトマト農家では、暑さの影響でなかなかトマトが実らなくなっています。
はた農園 畑裕樹さん:
14玉くらいつく予定でいつも栽培していますが、4つくらいしかついてないので。少なくとも3分の1くらいまで収穫量が減ってしまうということが確定している。
暑さの影響でなかなかトマトが実らないといいいます。赤くならず、だらんと垂れ下がっているものも。
野菜高騰で家計はピンチ… “HERO野菜”が救世主に?
そんな中、家庭のピンチを救ってくれる“HERO野菜”もあります。
レタス・キャベツ・白菜です。レタスとキャベツは平年比90%ほど、白菜は平年比73%ほどだといいます。農林水産省も「お手頃」とオススメしています。
めざまし8スタジオゲストの尾木直樹さんは、毎日お弁当を作るほどの料理好き。野菜価格の高騰には困っているといいます。
尾木直樹:
我が家の食卓も缶詰をどんどん使ったり、ちょっと料理の種類が変わってきましたよ。「野菜たっぷり」じゃなくなってきた。
谷原章介:
安い野菜とかをうまく組み合わせて、なんとか乗り切りたいですね。
(めざまし8 9月28日放送)