「県北バス」新人バスガイド4人に密着

新型コロナウイルスの影響で、観光業が厳しい状況にある中で入社した新人バスガイドは、岩手の観光を盛り上げようと研修に取り組んでいる。
そんな新人ガイドたちの研修に密着した。

「県北バス」の愛称で親しまれている県北自動車には、この春 4人のバスガイドが入社した。
宮古市出身で、震災を経験した工藤未羽さん。

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同じく宮古市出身で、ムードメーカーの野崎鮎美さん。

盛岡市出身で、専門学校で観光学を学んだ上山亜海さん。

奥州市出身で、旅行好きの渡邉美晴さん。

4人が入社したのは、新型コロナウイルスの感染が全国で広がっていた4月。
県北自動車では、貸し切りバスの予約数が前の年よりも9割ほど減った。
世界中が新型コロナの影響を受ける中、入社した4人は約3カ月間にわたり研修を続けてきた。
研修の集大成とも言える最後の「乗車研修」を前に、この日は原稿の最終確認。

上山亜海さん:
本日は太陽も顔を出して、旅行日和の1日となりそうですね

ガイド指導スタッフ・伊藤芹奈さん:
ここ、みなさん共通、笑顔で。マスクしてるから、笑顔かわからないのね。だから目元、下まぶたを上げるように

ガイドの基本的な知識だけではなく、例年と違った対応の仕方についても学ぶ。

乗車研修は緊張の連続

乗車研修の日。

ーーこれは何をしているんですか?

野崎鮎美さん:
エチケット袋の確認をしています

乗車研修当日、緊張の朝を迎えた4人。
出発前の準備でバタバタ。
この日は盛岡から岩泉、宮古を回り浄土ヶ浜などの観光名所を1人ずつ案内する。

工藤未羽さん:
そして右手、緑の続いた屋根が、新洞科学館の入り口です

バスガイドの仕事は単に伝えるだけではなく、いかにツアー客を楽しませるかが重要。
龍泉洞では歌を交えての案内も。

緊張のせいかこんな場面も…

渡邉美晴さん
激しく"渦巻き"を巻き…失礼しました。激しく渦を巻き

岩手のおいしい物を全国のお客さんに伝えるのも、仕事の1つ。

野崎鮎美さん:
初恋ソフトクリームです。ヨーグルトにレモンがかかったような味がしますね。食べますか?

工藤未羽さん:
いや、いいです

互いに励まし合って切磋琢磨する同期の4人。

野崎鮎美さん:
緊張して思ったように喋れなくて

上山亜海さん:
自分も頑張らなきゃなって気持ちになる

バスは宮古市田老へ。

工藤未羽さん:
通っておりますこの辺り、震災前は住宅がもっとたくさんあったところです。ちなみに私の住んでいた家もこの辺にありました

「東日本大震災の復興に貢献したい」

県北自動車の社員には、東日本大震災復興に貢献したいという強い思いがある。

学ぶ防災ガイド・佐々木純子さん:
逃げなければ助からないし、ハード面に頼らずに、自分たちの防災意識をもっと強化していかなければいけない

小学3年生のときに、宮古の実家が津波で流された工藤未羽さん。
震災の体験をどう伝えるかを語り部から学んでいた。

工藤未羽さん:
悲しかっただけでは終わらせてはいけないことだと思うので、自分が見てきたことをこうしてたくさんの人に自分の言葉で伝えていかなければいけないと思いました

そんな工藤さん。
仲間がインタビューを受けている最中、ウミネコの鳴き声が気になったのか、ウミネコを追い払っていた。
さすが宮古育ち。ウミネコの扱いはお手の物。

研修の苦労、成功した喜び、仲間と学ぶ日々…
その1つひとつが、彼女たちを一人前のバスガイドへと成長させる。

工藤未羽さん:
たくさん岩手の魅力を伝えられるガイドになりたい

野崎鮎美さん:
元気を与えられるバスガイドになりたい

上山亜海さん:
親しみのあるガイドになれればと思う

渡邉美晴さん:
笑顔を届けられるバスガイドになりたい

4人:
私たちと一緒に岩手を旅しましょう。お待ちしております

(岩手めんこいテレビ)

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