新型コロナウイルスの感染者が増えたことによって、全国で学級閉鎖の報告が相次いでいる。患者が増えている原因と、新たな変異株「エリス」について、名古屋市衛生研究所に聞いた。
夏バテによる免疫力低下も一因か?
東海3県でも、岐阜県では8月31日、学級閉鎖が6クラスで確認されている。その背景にはコロナの感染者の増加がある。
愛知県のコロナ患者の定点観測状況を見ると、5月8日に「5類」に引き下げられた時は「3.42」だったが、じわじわと増えていった。夏休みに入った頃の7月24日からの1週間では「20.82」にまで増加している。
さらに、お盆明けの夏休み終盤の8月21日からの1週間では「23.86」とさらに増えている。

なぜ患者が増えているのか、名古屋市衛生研究所の微生物部長・柴田伸一郎さんに聞くと…。
1.夏休み、お盆休みで人の動きが活発になった
2.猛暑による疲労の蓄積
夏バテからくる免疫力の低下もあるのではないかとのこと。

ほかの要因として、新たな変異株が増えているということもある。
通称「エリス」という変異株EG5.1。通称はギリシャ神話に由来していて、「不和と争いの女神」の名前という。

エリスはオミクロン株の派生型で、増加傾向にある。国立感染症研究所によると、今多いのが同じオミクロン株の派生型で、2023年前半に流行したXBB1.16と、このエリスだ。エリスは2割ほどだが、増加傾向にあるという。

エリスの症状や感染力について、柴田さんに聞いた。
症状はのどの痛み、発熱、せきなどで、重症化する例は少ないが、感染力は今までと「同じ」か「やや強い」とのこと。
(東海テレビ)