グーグルは、日本語版の生成AIを使ったネット検索システムの試験的な導入を始めた。

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日本で30日から試験的に始まった、グーグルのネット検索サービスは、日本語の文章で質問を入力すると、ネット上で収集した情報を要約して表示する。

生成AIは、間違った情報を収集したり偏見を助長したりという懸念があるが、このネット検索システムでは、情報が不足している、または質が低いと判断された場合、要約した文章を作成しないことで正確性を担保するとしている。

ユーザーからのフィードバックを生かしていく
ユーザーからのフィードバックを生かしていく

グーグルはさらに試験的な導入を進めながら、ユーザーからのフィードバックを生かし、正式なサービス化を目指す。

“精度”の課題と“便利さ”故の影響

「Live News α」では、暮らしを変えるテクノロジーに詳しいIoT NEWS代表・小泉耕二さんに話を聞いた。

堤 礼実 キャスター:
Googleの検索に生成AIを使った新機能ということですが、どうご覧になりますか。

 IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
今回、「SGE: Search Generative Experience」といわれる新しい機能が発表されました。これは米国で既にお試し利用が始まっています。

使い方としては、Googleアカウントを使って、Search Labsというサービスを許可すると、自然言語での質問に対して、AIが解答をしてくれます。

検索結果も表示されるのですが、「AIによる概要を生成しますか。」という質問が表示されるので、「はい」と答えると、AIが考えた答えが表示され、さらに深掘りする質問の候補も表示されます。

堤 礼実 キャスター:
Googleは既に、BardというAIによるサービスを試験的に始めていますが、どんな違いがあるのでしょうか。

 IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
Bardは、いわゆる自然言語対話エンジンで、AIとの「対話」ができるところが特徴です。SGEもAIの回答に対して「追加で聞く」というボタンをおせば、さらに深掘りした質問を聞くことができますが、操作としては面倒です。

度々申し上げておりますが、この手のAIは、回答の精度が低いという問題があります。後発のGoogleのAIが、どこまで精度良く返答してくれるかが楽しみです。

また、調べたい事をAIがすんなり回答してしまうと、広告サービスに影響がないのかなど、今後、慎重に検証が勧められることと思われます。

ただ、SGEもBardもお試し利用中なので、今後、正式サービスとしてリリースされるのか、お試しで終了するのかは、今後の状況次第と言えます。

対話型のAIの“棲み分け”は?

堤 礼実 キャスター:
これからChatGPTなど、他の対話型のAIとの棲み分けは、どうなっていくかのでしょうか。

 IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
先行するChatGPTは世界中で話題となり、Microsoftのクラウドサービスでも使うことができ、いろんな企業や個人が、ChatGPTを使ったサービスを既に立ち上げている強みがあります。自然言語エンジンとしては、大きくリードをしていると言えるでしょう。ただ、ChatGPTはデータが、2021年時点のものという問題があります。

これに対してGoogleの場合、最近のデータを使った質問にも回答できる大きなアドバンテージがあります。

個人的にはChatGPTは毎日のように使っていますが、検索エンジンと棲み分けて使っているという状況で、今後これが一体となった時に、ChatGPTを使わなくなってしまうのか、これが気になります。
(「Live News α」8月30日放送より)

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