そばで見る母親の仕事に子どもがチャレンジ。その様子が、X(旧Twitter)で感動を呼んでいる。
刺しゅう作家のありま(@arimama_umauma)さんは、自宅で仕事の刺しゅうをしていたところ、4歳の娘さんからあるお願いをされた。それは「(自分も)おしごとしたい!」というもの。
そこで安全面に配慮して準備すると、娘さんはありまさん著作の“刺しゅう初心者向けの本”をパラパラとめくり「ふんふん、ナルホドネ」といいながら、挑戦したという。
完成した作品がこちら。布にピンク、紫、緑などの色の糸を縫い付けていて、刺しゅう用の枠をはみ出したりと自由なところもあるが、頑張りが伝わってくる。
ありまさんがこの出来事を投稿すると「宝物完成ですね」「このまま飾っておかねばなりませんね」といったコメントが寄せられ、2万4000以上のいいねを集めた(8月22日時点)。
「自由に楽しく」と思って見守った
可愛らしい姿だが、娘さんは何をイメージして刺しゅうしたのだろう。「ナルホドネ」と言っていた理由も気になるところだ。ありまさんに聞いた。
――娘さんはどんなお子さん?
感情表現が豊かな子です。ラップの芯とカプセルトイのケースで、マイクを作って歌ったり踊ったり、ストライダー(子ども向けのランニングバイク)に乗ったり、毎日とても楽しそうです。
――刺しゅうはどんな感じでしていたの?
娘に糸を選んでもらい、私が針に糸を通して、あとは自由に楽しく刺してもらいました。枠を糸で巻き込んだり、図案を無視したりしていますが“手順どおりの刺しゅう”は大きくなってからやればいいと思ったので、ひたすら見守りました。休み休み、30分くらいだったと思います。
――ありまさんの本を見て「ふんふん、ナルホドネ」と言っていたそうだが、参考にしたの?
パラパラめくっていただけなので、参考にしたわけではなかったと思います(まだ文字が読めません)。ただ、自分で本棚から本を持ってきたので「刺しゅうの本って分かってるんだ!」とびっくりしました。(ナルホドネは)大人が使う言葉を、適切なシーンで真似してみたのかなと思います。
お菓子をイメージ、完成後は「かぁかにあげる〜」
――娘さんの作品は何をイメージしたの?
チョコチップクッキーを作ったそうです。「かぁかにあげる〜」(お母さんにあげる)と言っていました!
――母、刺しゅう作家として、娘さんの作品をどう思った?
4歳のこの夏の空気を縫いとめた、素敵な作品だなと思いました。私の作業部屋の壁に飾ろうと思います。
――娘さんが刺しゅうしたのは今回が初めて?
初めては、3歳4カ月ごろでした。3歳ごろから机で一緒に作業(娘はお絵描き)をしていて、それまでは(私は)針の存在がバレないように、刺しゅうしていたのですが、娘が「やりたい!」といったので、ドーナツのぬいぐるみのカラースプレー部分に5、6針ほどステッチを入れてもらいました。
――刺しゅうはよくするの?
娘の気が向いたとき、たまにしています。はじめの頃に比べて、糸の引き方が上手になってきました。
ありまさん「子どものころを思い出した」
――SNSで話題となったことをどう思った?
たくさんの方に見ていただいてびっくりしています!小さい頃の、おばあさまやお母さまとの素敵な思い出を教えてくださった方もいて、自分の子どもの頃を思い出してほっこりしました。
――娘さんには刺しゅうをどう楽しんでほしい?
お絵描きや塗り絵、ねんど遊びなど、いろいろな遊びのひとつとして、やりたいときにやってもらえたらいいなと思います。
ときおり私の本をパラパラめくって『ふんふん、ナルホドネ』と言いながら4歳さんが仕上げた作品 pic.twitter.com/4OaoGaGDZQ
— ありま🐴🧵刺繍作家 (@arimama_umauma) August 15, 2023
娘さんは母親の姿を見て、刺しゅうに興味を持ったようだ。これから成長すると、もっと可愛い作品を生み出すかもしれない。