「とおれるんですけどとおらないんです」。
そんなコメントとともにTikTokに投稿された、あるワンちゃんの行動が話題になっている。

「とおれる とおれない問答」とタイトルがついたこの動画。
画面右端に見えるテーブルと、犬用のベッドの間でじっと立ち止まっているのは、9歳のシーズーの男の子「てんぽ」くんだ。

画面の手前でてんぽくんを呼んでいるのは、てんぽくんの飼い主でシーズーグッズショップ「AUNITEM」を経営している、イラストレーターの幸池重季さん(@shihtzu_tempo)。
幸池さんは繰り返し「通れるから!」「おいで」と声をかけるが、てんぽくんは拒否。テーブルとベッドの間はてんぽくんが通り抜けるには十分なスペースがあるように見えるのだが、どうやらてんぽくん自身は「通れない」と思っているようなのだ。
困ったようにベッドを前足でタッチして「これ、どかして!」と言いたげな視線を幸池さんに向けている。

幸池さんも「通れるから!おいで!」と声をかけ続けるが、とうとうてんぽくんは「ワンッ!」と一回吠え、「通れん!」と主張。
そこから先は幸池さんとてんぽくんの「通れるから!」「通れん!」の“問答”が始まってしまった。

「通れるから…」と笑っていた幸池さんだが、ここで“奥の手”の犬用おやつが登場。
てんぽくんの視線もおやつにくぎ付けになるが、体はどうしてもついてこない。スッと後ずさると、「ぐぬぅ」と悔しそうな表情を浮かべて、結局、隙間を通り抜けられないまま動画は終わった。

結局、隙間を通り抜けられなかったようだ。
26万回再生(9月12日現在)されているこの動画には「とおれん!が可愛すぎる」「自分の横幅がもっと大きいと思ってるんだろうな」「彼の中の自分はゴールデン並の体格なんやろう」などのコメントが寄せられたが、一体なぜてんぽくんはこの隙間を通り抜けられないのだろうか?
動画には「※実は何度か通れてます」のテロップが出るなど、どうやらてんぽくんにはこの隙間を「通れる時と通れない時」があるようだが、幸池さんにお話を聞いてみた。
「我を忘れる」と通り抜けられるらしい
――てんぽくんはどんな子?
2014年生まれの9歳、性格はおとなしく優しい、食いしん坊、甘えん坊、犬より人が好き、マイペース、天然。飼い主とおもちゃで遊ぶこと、ベルを鳴らしておやつをもらう遊びをするのが好きです。

――隙間を通れないてんぽくん…一体どうして?
夏なので通気性のあるメッシュのベッドを購入したのですが、これが邪魔で通れないとアピールしています。(隙間に)嫌な思い出は特になく、実際は通れる幅でも自分が無理だと思ったら吠えます(笑)
――この日は通れなかったが、どんな時に通ることができる?
大好きな配送のお兄さんが来ると、無我夢中で通り抜けたりします。我を忘れると通れる場合があります。

――他の場所でも「通れる・通れない問答」は発生しちゃう?
「ドアの隙間が狭くて入れない入れる問答」などがあります。「床にちょっと箱が置いてあり道幅が狭い時」や「ドアの隙間が狭くて通れない」と吠えて訴えます。

――逆に「そこは入れないよ?」という所に入っちゃうことは?
食べ物が絡むと、飼い主の脇の間に無理やり入ろうとします。わざと座椅子の後ろに挟まって「ここにいるぞ」とアピールする時も多々あります。

――“問答”中のてんぽくんに言いたいことは?
通れるよ~、そして新しいメッシュベッドで寝てよ~(床から少し高さがあるので、自分から乗ってくれません。涙)と伝えたいです(笑)

――動画への反響について…
無駄吠えは少ない子なのですが、こういった主張はよくしてきます。目で訴えたり。言葉を話しているかのように「アウアウ」とぐずったり、背中を向けて「拗ねているぞ」とアピールしたり、なんとも愛らしい憎めない子だなと思っています。そんな天然なてんぽさんを、多くの方にご覧いただき大変嬉しく思っています。
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自分で「通れない!」と判断した隙間は通らないというてんぽくん。部屋から出ていくときに通ったはずのドアの隙間も、再び入る際に「通れない!」と判断したらじっと立ち止まって隙間を広げてもらえるのを待つそうだ。
てんぽくんなりのこだわりと、飼い主さんとの攻防に思わず笑ってしまう一幕だった。