静岡県議会の中山真珠 議員(静岡市清水区選出・当選1回)が、運転免許証の有効期限が切れ失効したまま車を運転、さらに横断歩道前で一時停止しなかったとして警察に反則切符を切られた問題は、発覚以降、議会を大きく揺るがしている。
無免許運転で所属会派は除名に

中山議員(28)が所属していた県議会・第2会派「ふじのくに県民クラブ」は、早々に中山議員を会派から“除名”とし、本人よりも先に幹部が記者会見を開いて謝罪した。同じく所属していた国民民主党静岡県連も、幹部が謝罪会見を開き、中山議員から提出された離党届を受理。対応は党本部に委ねられている。
問題発覚から3日後に公の場へ

中山議員は、問題発覚から3日後の8日に開いた記者会見で、県民に謝罪した上で「神奈川県から引っ越してきた際に、運転免許証の住所変更をしていなかったため、更新の通知はがきが届かなかった」と釈明したが、住所変更は道路交通法第94条で義務付けられている。郵便の転送手続きすらしていなかったのだろうか。中山議員は「公人として以前に、社会人としてあってはならないこと」と反省の弁を述べているが、まさにその通りである。
中山議員への辞職勧告決議案の提出へ

県議会の各会派も今回の問題を重く捉え、慌ただしく動き出している。最大会派の自民改革会議や第3会派・公明党県議団は、中山議員に対する辞職勧告決議案を提出する方針を固めた。川勝平太 知事に近いふじのくに県民クラブは、中山議員の除名によって知事に対する不信任決議案が提出された場合に会派単独で否決できなくなった。問題発覚後、県議会各会派それぞれの思惑が透けて見える。

中山議員は、当時27歳の若さで2023年4月の静岡県議会議員選挙にいわゆる落下傘候補として挑戦し、初当選。当選後は静岡県民のために多忙な日々を送っていたと想像する。自身の公式サイトには、「犯罪や交通事故等の様々なリスクから命と財産を守る体制づくりを強化します」と公約が掲げられている。その思いはどこにいってしまったのだろうか。
会見で中山議員は「一層仕事に邁進することで罪を償いたい」と述べているが、これは人生経験が深いとは言えない28歳の新人議員ゆえの気持ちではないだろうか。辞職勧告決議案が可決される前に、自ら一度リセットし再挑戦した方が政治家として道は開けると思う。
(テレビ静岡 特別解説委員・永井学)