東日本大震災の被災地の希望に…「大槌復興米」

「大槌復興米」は、東日本大震災の津波で岩手・大槌町に流れ着き、2011年の秋にがれきのあった場所から見つかった。
今では、大槌の復興を願う人たちの希望になっている。
この「大槌復興米」を使っているお店が盛岡にある。

「食堂カフェMaho-ROBA」。古語で「すばらしい」という意味のマホロバ。
お客さんにとっても、お店にとっても「素晴らしい場所」になるようにという思いが込められている。
オーナーは、大槌町出身の菊池眞帆さん。

管理栄養士を養成する大学で20年以上教えていた菊池さん。
栄養士の資格を生かして、「食べる事の大切さを伝えたい」と2年前にお店を始めた。
旬の果物を使ったフルーツサンドも人気だが、一番はなんといっても大槌復興米を使ったランチ。
栄養バランスがとれていて、体も心も健やかにすると評判だ。

菊池眞帆さん:
食事を出すという時に、絶対 大槌復興米を使いたいと思った。それは、マホロバに来た方がお米食べることで大槌を知っていただくとか、大槌復興米が持つ力を感じていただくとかですね

がれきの中で根付いた稲穂… 復興のシンボルに

大槌復興米を見つけたのは、菊池さんの母・妙さん。
震災後の秋、津波に流された大槌町の自宅跡で、自然に根付いた3株の稲穂を見つけた。

菊池妙さん:
途方に暮れて歩いていて、『え~!稲だよ』って。なんでこんなところに稲があるのって、本当に…訳もなく泣いてしまったんですよ

安渡地区には田んぼがない。
どこからか流されてきた稲穂は、がれきや夏の炎天下にも負けず、力強く芽吹いていた。

震災後、落ち込んでしまうことが多かったという妙さん。
津波に耐えて生きる稲穂は、まさに希望そのものだった。

菊池妙さん:
大槌の復興のシンボルにしましょうって。本当に本当に、奇跡を出してくれる米だと思います

妙さんに共感した地元の人たちの支えで生まれた大槌復興米。
現在は、思いを受け継いだ団体が遠野市で育てている。
このほか、大阪や神奈川にも生産の輪が広がり、大槌町を全国に発信する力にもなっている。

おいしい復興米は、人の心も体も元気に

復興米は、ふっくら甘い「ひとめぼれ」。
味のバランスもよく、「沢山の人の思いが込められているからおいしい」と、真帆さんが作ったランチを目当てに多くの人が訪れるようになった。

この日訪れていたのは陸前高田市出身の常連客。元気がないときは、よく顔を出すという。

陸前高田市出身の常連客:
自分の地元と近しい感じもあるからか、懐かしいような。でもそこからまた復活して、お米もこうやって頑張っているんだぁ、食べ物ってすごいなぁっていうのは感じますね

大槌復興米がもつパワーは、確かにお客さんにも伝わっているようだ。

菊池眞帆さん:
マホロバで出した食事を元にして、私と繋がる事もうれしいですし、お客様同士がつながることもうれしいし、そして沿岸とつながってくれたらとてもうれしいですね

奇跡のお米「大槌復興米」。
食べた人の体と心を元気にし、これからも被災地とお客さんをつないでいく。

現在は遠野市で育てられている「大槌復興米」だが、2021年には「大槌」で育てることを予定している。

(岩手めんこいテレビ)