岸田首相は25日、公明党の山口代表と会談し、来年秋に健康保険証を廃止してマイナンバーカードに一本化する方針について、「政府として最大限努力したい」と強調した。一方、自民党の世耕参院幹事長や萩生田政調会長は、必ずしも期限にこだわる必要はないとの考えを示すなど、政府と与党の温度差が浮き彫りになった。
岸田首相と山口代表の会談の中で、山口代表は来年秋に健康保険証を廃止してマイナンバーカードに一本化する政府の方針について、「国民に伝わるように丁寧に説明いただきたい」と要望した。これに対し岸田首相は「政府として最大限努力したい」と応じ、方針通りに進めるよう努力する方針を示した。
一方で、自民党の世耕参院幹事長は、25日の会見で、マイナンバーカードを国民に利活用してもらうためには信頼が何よりも重要だとの認識を示した上で「信頼回復に繋がらないのであれば、必ずしも来年秋という期限にこだわる必要はないのではないか」と述べた。
また、自民党の萩生田政調会長も、保険証廃止の期限よりも国民の理解を得る努力を優先すべきだとの認識を示しているが、これについて松野官房長官は25日の会見で「来年秋の保険証廃止後も2025年秋まで猶予期間として発行済みの保険証を使える。この期間を活用して国民の不安を払拭していきたい」と述べた。
来年秋の保険証廃止・マイナンバーカード一本化の方針を崩したくない政府と、国民の理解を得られないまななら期限を延長すべきだとする自民党幹部の温度差が表れた形だ。