子どもの”夏風邪”大流行…防ぐためには
いま札幌市内では、口の中に発疹ができ発熱を伴うヘルパンギーナが大流行している。
家族間での感染も広がっている。どのように予防したらいいのか。
子どもを持つ母親からは、
「鼻水がずっと出ていたり、せきが出たりしている」(4歳男児の母親)、
「せきはちょっと長く続いた。2~3週間くらい続いていた」(4歳男児・1歳女児の母親) との声が聞かれた。
札幌市中央区の「認定こども園 さゆり幼稚園」では、6月から子どもたちの風邪が急増している。

「先週あたりから発熱を伴う風邪がはやっている。一度風邪をひくと、長引いている子どもが多い。各クラス3~4人ぐらいずつ出ている状況」(入山美穂園長)
子どもたちの間で、何が起きているのか。
クリニック・イン・ザ・モーニングの岡田純一院長に聞くと、
暖かい時期に入ってきているが、高熱を伴う各種の感染症や胃腸炎も多い印象を持っているという。
特に発症が増えている「ヘルパンギーナ」
口の中の粘膜に水ぶくれのような発疹ができ、38度から40度の熱が1日から3日間続く。

乳幼児に多い病気で、喉の痛みや全身の倦怠感、食欲不振などを引き起こすことも。
北海道感染症情報センターによると、札幌市内の6月の患者は定点当たりの報告数が7.09と急増し、警報レベルを上回っている。
1999年に統計を取り始めてから、最も早いペースだ。

「元々高温多湿に強いウイルス。症状が治まってもウイルスが数週間は便の中に出るため、区切りをつけた予防が難しい」(クリニック・イン・ザ・モーニング 岡田純一院長)
ヘルパンギーナの原因となるウイルスは、唾などによる飛沫感染、経口感染、便を介しての接触感染などで感染する。

家庭内での感染も…
岡田院長によると、小さい子ども同士、免疫を持っていない両親や家族に感染することもあり、大人の場合は子どもがかかるより少し熱や症状が強いことが多いという。
家族間感染を防ぐためには、おもちゃのこまめな消毒や手洗い・うがいが効果的だ。
特におむつ交換のあとや、食事の前などにはしっかりと手洗いを。

再拡大する"新型コロナウイルス"
岡田院長によると、発熱と咽頭痛・発熱とせきの症状の人を調べると、8割くらいの確率で新型コロナウイルスが陽性だという。

5月に法律上の位置づけが5類となったことから、イベントや旅行が復活。
日本医師会では第9波と判断している。新型コロナを予防するためにも、基本的な感染対策が重要だ。