渋谷に“もう1つの渋谷”

スマートフォンの中に現れた、“夜の渋谷”。
5Gを活用した、最新テクノロジーがもたらす“コロナ時代”の新たな経済の形とは。

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徐々に人出が戻りつつある東京・渋谷。

一方、依然として大規模なイベントなどを行うことが禁止されるなど、まだまだ多くの制限が課される中、注目を集めているのが、バーチャル空間上に作られた“もう1つの渋谷”。

auをはじめ50社が参加、5Gを活用した渋谷の街並みを完全に再現した、渋谷区公認の配信プラットホーム「バーチャル渋谷」。

スマートフォンやパソコンなどから、この仮想空間に入ることができ、アバターを使って街を移動。
現在は、渋谷駅から「SHIBUYA109」の区間を移動することができる。
チャット機能を使うことで、アバター同士で“街ぶら”することも可能。

この日は、スクランブル交差点のそばに立つ「QFRONT」前で、タレントやアーティストのメンバーなどによる「トークイベント」が開催されていた。
さらに“リアルの街”ではまだできないアーティストのライブや、アートの展示などもバーチャル上で展開していくという。

 

KDDI アグリゲーション推進部・繁田光平部長:
渋谷という街から、コンテンツ・カルチャーを止めないために何をすべきか考えた結果、じゃあ集まれるようにしよう。
集まれるようにするにはどうしたらいいんだという1つの選択肢としてバーチャル渋谷に行き着く。

イベントに5万人が参加

建物1つ1つが“リアルすぎる”バーチャル渋谷。
人気アニメともコラボしていた今回のイベントでは、ある瞬間、このアニメが渋谷をジャック。

イベントには、延べ5万人が参加しており、こうした“広告効果”も期待できるという。

今後は、バーチャル渋谷上で、リアルな渋谷の街にある店舗と同じ体験ができる可能性を探るなど、5Gを駆使した新しい体験価値の創出は、ビジネス面でも効果を生み出そうとしていた。

KDDI アグリゲーション推進部・繁田光平部長:
リアルとバーチャルが連動したイベントが起きたり、そういうことが出てくるように思う。
もしかすると、バーチャル渋谷から入った人とリアル渋谷の人で、友達同士でカラオケやることもあるかもしれないし、ライブもあるかもしれないしというところが、
常にハイブリッドな形で生き続けていくのが、次のニューノーマルの世界にあるんじゃないかなと思います。

バーチャルの持つ役割は?

内田嶺衣奈キャスター:
もう1つのバーチャル渋谷、松江さんはどのようにご覧になりますか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
私もよく渋谷へ行きますが、それとは違う新しい世界だなって感じがしますよね。
こういったリアルとバーチャルっていうのは、この先一体になって、融合したハイブリッドな世界が出てくると思うのですが、
その中で私は改めて「バーチャルの持つ役割は何か?」と考えてみると大きく2つあると思うんですね。

代替≦拡張。

「代替」と言う事なのですが、これ今まで人がリアルでやっていたことを代替していく。
例えばオンラインは、まさにその典型だと思うんですが、これ増えていくと思うんです。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
ただそれ以上にこれから可能性があるのは、実はこの「拡張」ということだと思うんです。
リアルで経験してきたことに加えて、想像の世界をバーチャルに創っていく。
これがまさに「拡張」ということなんですよね。
ここには無限の可能性があるのではないかな、という感じがしますね。

内田嶺衣奈キャスター:
その拡張の中の無限の可能性、例えば具体的にどんなものがありそうですか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
例えばプロ野球開幕しましたけれども、今まではオンラインとかで見る体験しかなかったのですが、この先例えばプロ野球選手と自分が対決をするとか試合中ベンチの中に入って試合運びを一緒に体験するとか。
こういった想像だった世界を体験するようなそんな空間が出てくる。
こんなことも可能性として期待できるのではないかと思います。

内田嶺衣奈キャスター:
デジタルによってこれまで想像がつかなかった新しいアイディアが実現していく機会が訪れてきそうです。

(「Live News α」6月19日放送分)