コウノトリが佐賀・白石町の電柱に巣を作り、子育てに励んでいます。この春生まれた2羽のひなは順調に成長。親鳥が翼を広げて天敵からひなを守る姿や、羽ばたく練習をするひなの姿を地元の人たちが見守っています。

2羽のひなが順調に成長

この春、白石町で生まれた2羽のひな。国の特別天然記念物コウノトリです。

コウノトリの巣が電柱の上に
コウノトリの巣が電柱の上に
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橋爪和泉アナウンサー:
電柱の上に大きな巣を作っているのがコウノトリです。個体を識別するための足環がこれから2羽のひなに装着されます

ひなたちは1カ月で約80cmまで成長しました。「足環」の取り付けは九州では初めて、つまり九州から巣立っていくコウノトリ第1号です。

白石町・矢川靖章生涯学習課長:
全国で290羽しかいない。九州でも佐賀県の白石町を選んで営巣・子育てをしてくれていることにうれしく思っている

コウノトリは水辺の近くを好む水鳥で、絶滅危惧種にも指定されています。2023年3月、つがいが町内の電柱に巣を作ると、管理する九州電力送配電が行ったのは漏電を防ぐための電線のつなぎ換え。また、日本野鳥の会は早朝から夜までの15時間、3交代制で見守ってきました。

日本野鳥の会・佐賀県支部 宮原明幸支部長:
ひと月なんですよ、この大きさになるのに。みるみる毎日毎日、大きさが変わっていくので私たちは子を見守るように大喜びで見守っています

親鳥がひなを守る様子も
親鳥がひなを守る様子も

橋爪和泉アナウンサー:
天敵のトンビが空を飛んでいます。親鳥が翼を広げてひなを守っています

卵からかえった4羽のひなのうち、2羽は順調に成長。6月に入ると、飛び立つために羽ばたく練習をする姿や…親鳥と一緒に巣を整える様子も見られるようになりました。

個体を識別する「足環」を装着

ひなが生まれて1カ月余り。九州電力送配電の作業員が高所作業車で巣に近づき、ひなが伏せたタイミングで丁寧に捕獲。

1羽ずつ、そっと地上におろしてアルミ製の「足環」が取り付けられました。足環は緑や黄色など4色が使われていて、色の組み合わせで出生地などの情報を確認できます。

ひなたちが巣に戻る様子を近くに住む人たちも見守っていました。

近くに住む人:
よかことですよね。うれしかですよ。今からどの辺に行くのか、また戻ってくるのか…心配ですね

水辺の鳥が生息できる環境を

コウノトリの親子は6月末から7月中旬の間に巣立ち、福岡・朝倉市などで冬を越すとみられています。

日本野鳥の会・佐賀県支部 宮原明幸支部長:
コウノトリがここから巣立って生息するということで、地域の人たちが水辺の鳥が生きていける環境を今後も維持していく。よりよくしていく、そういう風潮が生まれてきたらうれしい

(サガテレビ)

サガテレビ
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