国の特別天然記念物コウノトリの飛来が確認された佐賀県白石町で、繁殖の場となる人工の巣「巣塔」がこのたび設置された。一度、繁殖に成功した地域には再び訪れる傾向があるということで、期待が高まっている。

九州初のヒナもカラスに襲われ全滅

日本野鳥の会佐賀県支部 宮原明幸支部長:
一回ここで(繁殖に)挑戦しているから、また挑戦してくれるだろうという希望のもと、今回巣塔を建てる

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巣塔の設置は、1月の繁殖期を前に日本野鳥の会や白石町などが協力して行った。

日本の野生のコウノトリは、50年ほど前の1971年に絶滅したものの、その後、兵庫県や千葉県などで人工繁殖。放鳥した結果、現在は野生で繁殖したものもあわせて、10月末現在で309羽が確認されている。

このうち白石町に飛来したコウノトリは、2022年5月に町内の電柱に巣をつくり、九州で初めて3羽のヒナが生まれた。

しかしその後、カラスに襲われヒナが全滅。それをきっかけに「巣塔」を設置することになったという。

ヒナを守る「巣塔」が完成

今回は安全にヒナが巣立てるよう、板金塗装などを手掛ける神埼市の馬場ボディーが、直径1メートル60センチの鉄でできた巣台を寄贈。そこにカラス避けをつけ、高さ10メートルを超える巣塔が完成した。

日本野鳥の会佐賀県支部 宮原明幸支部長:
立派なものができた。あとはコウノトリが来てくれるのを待つだけ。期待している

一度、繁殖に成功した地域には再び訪れる傾向があるということで、次にコウノトリが飛来する可能性があるのは、繁殖期の1月以降だという。

(サガテレビ)

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