世界遺産、忍野八海。
その池の底に散乱するのは、投げ入れられた大量のコイン。

人気の観光地ゆえの迷惑行為があとを絶たない。

世界遺産の底に大量の硬貨…取材中に“投げ入れ”の瞬間

7日、取材班が向かったのは山梨・忍野村。

取材班は山梨・忍野村へ…
取材班は山梨・忍野村へ…
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富士山の雪解け水が湧き出す、世界遺産「忍野八海」。

青く澄み切った神秘的な池を見ようと、多くの外国人観光客らが訪れていた。

しかし、池の底に見えるのは…。

池の底に見えるのは…
池の底に見えるのは…

大量に散乱する硬貨。

池のすぐそばには、硬貨の投げ入れを禁止する看板が設置されているにもかかわらず、一部にマナーを守らない観光客がいるという。

せっかくの景観を台無しにしかねない違反行為。
取材を進める中、カメラがその瞬間を捉えた。

外国人男性が池の縁へと近づいた直後…。

外国人男性が何かを池の中へ…
外国人男性が何かを池の中へ…

取材ディレクター:
あちらの男性…今、池の中に何か入れました。

ポケットから硬貨を取り出して、池の中にポイ。

世界遺産である忍野八海に硬貨を投げる行為は、文化財保護法に抵触し、5年以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金を科される可能性がある。

コインを投げると願いがかなう?

男性は、なぜコインを投げたのか。

――池に何か投げ入れましたか?
硬貨を投げ入れた外国人観光客:
コインです。いつかまたここに戻ってこられるようにお願いした。

イタリアのローマにある観光スポット、トレビの泉。
後ろ向きにコインを投げ入れると願いがかなうという言い伝えがあることでも有名だ。

では、忍野八海に硬貨を投げ入れると、何かいいことはあるのか。

池を管理する忍野村教育委員会に聞くと…
池を管理する忍野村教育委員会に聞くと…

池を管理する忍野村教育委員会に聞くと、こんな答えが返ってきた。

「忍野八海に硬貨を投げ入れても、願い事がかなうようなことはありません」

景観悪化のほか、水質汚染にもつながりかねないという硬貨の投げ入れ。

こうした事態を受けて、忍野八海では1年に2回、ボランティアのダイバーたちが池に潜り、硬貨を拾い集める作業を行っている。

回収を行うダイバーは、コロナ禍が明け、旅行客数が回復したことで池の硬貨も増えてきていると感じている。

ボランティアダイバー・坂本新さん:
一番多かったのは、(日本の)1円玉。次が(中国の)人民元や、韓国・タイのお金が多かった。自然破壊になるので、コインを投げる行為はやめていただきたい。

(「イット!」6月7日放送より)