車社会と言われる佐賀県では高齢者の免許保有率が年々増加。去年、県内で起きた交通事故の約4割は高齢ドライバーによるものだ。このため警察は70歳以上を対象に無料で運転技能の教習を行うなど対策を強化している。

高齢ドライバー教習を体験

近年目立っているのが高齢ドライバーによる交通事故だ。

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県警察本部によると、県内の交通事故は過去5年間、減り続けているが、高齢ドライバーによる事故の割合は年々増加していて、2022年は全体の4割以上を占めている。

この現状を受け、警察は高齢ドライバーの事故対策に力を入れていて、佐賀市の運転免許試験場では、70歳以上のドライバーを対象に無料の技能教習を行っている。

長島百花記者:
高齢ドライバーの皆さんが受ける教習を実際に体験してみたいと思います。よろしくお願いします

教習は1時間ほど。見通しの悪い交差点の通行や、一時停止、駐車など教習所内の様々なコースを走り、助手席に座った教官が運転中に注意するポイントをアドバイスする。

技能教習を体験する長島記者
技能教習を体験する長島記者

長島百花記者:
交差点での右折のタイミングで、高齢者の方が陥りやすいミスはありますか?

教官:
それは間違って右側通行をすることですね。左の車線に入らずに誤って対向車線、右側に入ることがある。非常に危険ですね

長島百花記者:
自分ではなかなか気付くことのできない運転中の癖なども教えてもらうことができ、より安全運転への意識が上がると感じました

免許保有の約3割が65歳以上

県内では、毎年3000人から4000人ほどが運転免許を自主返納している。

一方で、高齢者の免許保有率は過去5年間増え続けていて、2022年は約3割が65歳以上となった。

男性:
歩いて行くのはちょっとスーパーが遠い、うちはここが近い。でも大抵の人は結構歩かないといけないんじゃないか、車がないと大変

女性:
週2回くらいは必ず(車を)使う、病院に行ったり。小城に住んでいるから、佐賀まで出てくるのにはやっぱりいる、乗り換えないといけないから

運転能力を認識し“自主返納”検討を

佐賀県は車社会と言われ、車が無いと生活が不便という声もよく聞かれるが、警察は、「加齢に伴う身体機能の低下は避けられないことなので、教習を受けたり相談をしたりして自分の運転能力の現状を確かめ、免許の自主返納も検討してほしい」と呼び掛けている。

県警察本部運転免許課 香月誠課長補佐:
現在、高齢ドライバーの方が原因者となる交通事故の割合が増加している、運転が心配な高齢ドライバーの方や家族からの相談も受け付けているので早めの相談を

(サガテレビ)

サガテレビ
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