漢字の「命」を表す決めポーズで人気のお笑い芸人・ゴルゴ松本さんが、高校生に「命の授業」だ。漢字の成り立ちや熟語の意味の話をしながら、人生の先輩のアドバイスを届けた。ゴルゴさんの人柄や、大事にしていることが垣間見える。
「大切」が意味するもの
この記事の画像(12枚)静岡県立島田工業高校を訪れたのは、お笑い芸人TIMのゴルゴ松本さんだ。
ゴルゴさんは2011年から全国の少年院などを回り、漢字や熟語を扱う「命の授業」を行っている。
会場に集まった生徒は約600人。
ゴルゴさんはまず漢字を大事にしている理由を伝えた。
ゴルゴ松本さん:
漢字は3000年以上前に発明された、言葉とか、目に見えるもの見えないもの、すべてを文字化した“道具”です。今はスマホやAIが使われている時代だけど、漢字を3000年以上にわたってアップグレードして使いこなしているのが日本、そこに住む皆さんです。3000年以上使っているから、いろいろな歴史、芸術性、意味がある。だから、この私たちが使う“道具”の漢字の中には、必ずやヒントがあるよ。漢字を絵文字だと思って
そして「大切」が持つ意味を、それぞれの文字に分けて解説していく。
ゴルゴ松本さん:
全てを出し「切」る、最後までやり「切」る。何かをやる時は、この漢字「切」が身近にあるわけ。思い「切」る、やり「切」る、出し「切」る、最後までやって限界を振り「切」っていく
ゴルゴ松本さん:
そういうことが人生にとって「大」きいんだよということ、「大切」なことにつながっていく
「努力は未来の自分への準備」
「なぜ努力は必要なのか」、それは「未来の自分への準備」と伝える。
ゴルゴ松本さん:
優勝したらうれいよな、すべての世界でさ。でも「準」優勝だとさ、ここまで頑張ったのにみんなで力合わせて頑張ったけれど負けちまったよ、悔しいよ、涙流すわ。でもその瞬間、私たちより上がいたんだなと気付ける瞬間でもあるよね。まだ足りなかったか、あそこまでやったけれどまだ足りなかったか。「準」優勝、優勝の「次」。「次」のまた何かのチャンスの時に「備」えるんだよというのが「準備」。「次」に「備」える、自分の未来の「次」のチャンスに「備」えることが「準備」。それが継続していくと「努力」ってなる訳よ
“体で漢字表現”も伝授
また「命を未来につなぐこと」や「有難う」という言葉の大切さについても、生徒たちに伝えていく。
ゴルゴ松本さん:
「有難う」は一日に何十回、何百回言っても損はないから。未来に全部戻ってくるから。人に言ったこと、やったことは巡り巡って、必ず倍返しになって戻ってきます
笑いでも会場を沸かせた。
生徒から、「島田工業高校の“島田”を体で表現して」とリクエストがでると、ゴルゴさんが即興で考え、生徒2人をステージにあげた。
「島」は両足を広げて腰をかがめ右手をのばす。「田」は寝転がって脚で「ロ」をつくり両腕をクロスして完成させた。見事な造形に拍手喝采だ。
生徒「心に残った言葉が多くて」
生徒:
すごく心に残った言葉が多くて、とても良い講演会でした
生徒:
漢字の意味を知ることができたので、これから大切にしたいなと思いました
最後は、生徒と一緒におきまりの決めポーズだ。
ゴルゴ松本さん:
これからの未来を創っていくぞ、島田工業 「命」!
生徒たちにとって、言葉や生き方を学ぶ大切な時間となったようだ。
(テレビ静岡)