「オンライン結婚式」とは

新型コロナの感染拡大で、逆境に立たされているブライダル業界。
離れていてもみんなで祝福できる、新たな一手とは。

クロマキーと呼ばれる映像合成用の幕の前に立つ、新郎と新婦。
ずらりと並んだ映像機材を通して映し出されたのは...。

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回る地球をバックに、月面で結婚式!?
逆境のブライダル業界で生まれた、オンライン結婚式の可能性とは。

オンライン結婚式に臨む、富田竜介さんと香菜子さん。
新郎の竜介さんは、ブライダル事業を展開するリクシィの社員。
富田さんは、5月にハワイでの挙式を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大のため、やむなく中止を決断。
そんな中、偶然社内で企画が練られていたオンライン結婚式の第1号にとの打診を受け、快諾したという。

 

CGならではの演出

2人の挙式会場は、クロマキー前のこの場所だが、このあと背景は一変する。
結婚式の様子はCG加工され、ライブ配信される。

親族や友人、職場の同僚は、その配信映像を見ながらオンラインで式に参加。
祝辞や余興は、ビデオ通話を通じてリアルタイムで行うことができる。
この日の視聴者は、150人以上。

場所を選ばないのもオンラインのメリットだが、もう1つオンラインならではの機能が、投げ銭。
参加者は、花束や指輪など、疑似アイテムを贈る投げ銭によって新郎新婦にお祝いの気持ちを贈ることもできる。

オンライン結婚式なら、月面でのファーストバイトやパルテノン神殿の前で伝える両親への感謝の言葉など、CGならではの演出が盛りだくさん。

富田さんは、断念したハワイでの挙式をCG上でかなえることもできた。

富田香菜子さん:
準備することは、自分たちのやりたいことを言うだけで、特に何もしていない。
身ひとつでこの場に来て、ドレスを着てしゃべって...それだけだった。
花嫁さんにとっては“お手軽結婚式”だと思う。

費用は、50万円から150万円程度と一般的な挙式の半分ほど。
富田さんの場合、およそ3週間で準備できたという。

リクシィ・佐志知世さん:
費用感の部分や準備の部分ですごくやりやすさがあるので、
そういったお客さまにはオンラインがニーズとしては提供できるかなと。
代替案ではなく、オンラインだからこそできるウェディングの姿を今回企画している。

これからのブライダル業界

内田嶺衣奈キャスター:
月面での結婚式など本当に斬新だと感じましたけれど、どのように感じましたか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
月面なんか想像もできなかったです。
本当に距離も想像も超える本当にオンラインならではだと思います。
オンライン結婚式、内田さんいかがですか?

内田嶺衣奈キャスター:
思い出の場所の背景に設定できたりするというのは面白いですよね。
魅力を感じるなと、そこは私も思いました。
これからのブライダル業界は松江さん、どのような変化を遂げていくとお考えですか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
「結婚式を挙げたくない」という人の理由がいくつかあるんです。
最も大きいのは「経済的な理由」です。
その2つ目が「いろんなセレモニーとか、いろんな人に気を使うのが大変だ」
この2つが結婚式を挙げない大きな理由なんですが、
このオンライン結婚式だと多少は安く済むということもありますし、
呼ぶ手間や気遣いをしなくていいというので、だいぶハードルが下がるので、
「オンラインだったら結婚式手軽にやってもいいかな」という選択肢が増えるのは、
一つ大きな変化だと思います。
結婚式だけではなくオンラインバースデーとか他のライフタイムイベントにも
こうした手軽な選択肢ができる、業容の幅を広げる変化も期待できると思います。

内田嶺衣奈キャスター:
私自身は対面での結婚式も正直憧れがあるんですけれど、離れていても、国境を越えても
参加できるというのは大きな魅力だなと感じました。
それぞれの事情やニーズに合わせた新たな選択肢の一つになりそうです。

(「Live News α」6月12日放送分)