軍と民兵組織の戦闘が続く、アフリカ・スーダンに住む日本人の退避に向け、自衛隊が準備を進めている。21日午後2時45分ごろには、航空自衛隊のC-130輸送機が、ジブチに向けて飛び立った。
イスラム教の断食月「ラマダン」明けの祝日にあわせて、停戦を実現できるかが焦点となっているが、これまでも停戦合意は守られず、実現するかは不透明だ。

スーダンの首都・ハルツームでは20日も、銃声が響き渡った。

国連のグテーレス事務総長は20日、イスラム教の断食月「ラマダン」が明ける21日の祝日に合わせて、少なくとも3日間の停戦を呼びかけた。

2017年からスーダンに住み、医療支援のためのNPOで働く岩吹綾子さんが、厳しい状況を語った。

スーダン在住・岩吹綾子さん:
戦車や戦闘機を使ったような攻撃が続いている。いつ本当に、何が、誰が、攻撃の犠牲になるのかわからない状況が、首都の真ん中で起きている。

自宅近くで、攻撃の音が頻繁に聞こえるという岩吹さん。

自宅から出ず、備蓄した水や食料で生活しているという。

スーダン在住・岩吹綾子さん:
(自衛隊機派遣は)本当にありがたいこと。自力で脱出するという術が、ほぼない状態。

ただ、国際空港が使えず、空爆もある状況で、自衛隊が来るのは難しいのではないかと不安をにじませる。
日本人退避に向け、輸送機が出発
こうした中、浜田防衛相は21日午前、スーダンに滞在する約60人の日本人の退避のため、午後にも航空自衛隊の輸送機1機が出発する予定だと明らかにした。

そして午後2時45分ごろ、C-130輸送機が、愛知・小牧基地からジブチ共和国に向け出発。

浜田防衛相はさらに、自衛隊の拠点がある周辺国・ジブチに、別の輸送機や空中給油輸送機も、準備が整い次第出発させると明らかに。

また、現地情勢の悪化から、日本人が自力で自衛隊機まで辿り着くのが難しいことも想定されるため、陸路での輸送を検討しているという。

地雷などが爆発しても走り続けられる、「ブッシュマスター」と呼ばれる輸送防護車の派遣なども検討されている。

日本人保護の陸上輸送が実施されれば、初めてとなる。
(「Live News days」4月21日放送より 一部情報を追加しています)