八代市の山あいで里山保育を実践している保育園の子どもたちが、自然から多くのことを学び、この春、巣立っていった。最後の保育園生活に密着した。

大自然ですくすく育つ子どもたち

子どもたち:
ほら見て、あそこ、あそこ。泳いでる。かわいい

オタマジャクシを見る子どもたち
オタマジャクシを見る子どもたち
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散歩の途中でオタマジャクシを見つけた。地域の人が作った滑り台で元気に遊ぶ子どもたち。男の子は、フキノトウにシイタケも見つけた。

男の子:
食べる、家に帰ってから

自然の中で遊ぶ子どもたち
自然の中で遊ぶ子どもたち

熊本・八代市坂本町の中山間地域にある「あさひ森の保育園」の子どもたちは、毎日、大自然の中で過ごしている。「あさひ森の保育園」は2021年9月、新しい園舎の完成とともに保育方針を大きく変えた。1つが「主体性」を持たせること。

話し合いで意見を出し合う
話し合いで意見を出し合う

子ども:
来週の予定を決めます

園児たちが自ら予定を考えたのを先生が書いていく
園児たちが自ら予定を考えたのを先生が書いていく

園でどのように過ごすかを子どもたち自身が決める。日課である散歩の行き先はもちろん、どこで、どんな遊びをするのか話し合いで決めている。この時期にはどんな生き物がいて、どんな草花が咲いているのか、子どもたちの頭にはしっかり入っている。

過疎地域だからこその交流

ほとんどの園児は、八代市中心部からおよそ40分かけてバスで通っている。保育園がある地区は140人あまりの過疎地域。地域の人との交流もこの保育園の特徴の1つだ。

地域の人と交流する子どもたち
地域の人と交流する子どもたち

近くの高齢者の家を訪問したり、畑仕事を教えてもらったり、地域と一緒に保育が行われている。

子どもたち:
鬼だぞ~ 

近くに住む人:
福の神さんですね

近くに住む人:
楽しみにしている。待っとる

近くに住む人:
「おばちゃーん」と言って手を振ってくれるから、かえってわたしたちが元気になる

里山保育に参加する保護者と子どもたち
里山保育に参加する保護者と子どもたち

運動会や発表会はないが、年に4回、保護者が子どもたちと一緒に里山保育を体験する日がある。保護者たちも子どもたちの成長を感じている。

保護者:
心配は心配ですけど、すくすくと育ってもらえば

保護者:
家に行かせてもらったり、畑のことを教えてもらったりと、こういう関わりが家の外でしっかりできているというのは、大きいな子どもたちにとっても学ぶことが多いなと思う

自分の頭で考えてやっていく力が土台にある

本格的な里山保育が始まってから1期生となる子どもたちがこの日、卒園した。子どもたちの表情は自信にあふれていた。

卒園児:
(保育園)楽しかった

卒園児:
保育園最後だから、ちょっと涙が出た

あさひ森の保育園・坂本顕真園長:
言われたことをただやるんじゃなくて、自分の頭で考えてやっていく力が土台にあって、初めて学ぶ力がつく。子どもたちから学ばせてもらいました

子どもたちは、大自然の風景や地域の人たちの笑顔を胸に今、それぞれの小学校で頑張っている。

(テレビ熊本)

テレビ熊本
テレビ熊本

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