徳川家康は75年の生涯の3分の1を静岡市で過ごした。その家康公の花見行列を再現する静岡まつりが2023年4月に行われ、来場者93万人と大盛況だった。毎年タレントなどにお願いしている家康役に加え、今年は大河ドラマで今川氏真役を演じた俳優も参加した。

家康の花見行列 ココリコ田中直樹さんや別所哲也さんが再現

まつり会場の本谷アナ(静岡・駿府城公園)
まつり会場の本谷アナ(静岡・駿府城公園)
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本谷 育美アナウンサー
駿府城公園内のこちらの会場では露店がずらっと並んでいて、本当にたくさんの人で賑わっています

静岡まつりは毎年 桜の咲く時期に開かれる“春の風物詩”で、1957年に始まった。
一番の見ものは「大御所花見行列」だ。

家康公の花見を再現した「大御所花見行列」
家康公の花見を再現した「大御所花見行列」

徳川家康公は少年時代、40代、将軍職を息子に譲ってからの大御所時代と、生涯で3度 計25年を駿府、今の静岡市で過ごした。
大御所時代の家康公が、大名や旗本を引き連れ浅間神社に花見に出かけたという故事にならい、その様子を再現したのが「大御所花見行列」だ。毎年タレントなどに家康役をお願いしている。

家康役の田中直樹さん
家康役の田中直樹さん

2023年に大御所・徳川家康役をつとめたのは、1日目がお笑いタレントの田中直樹さん。

本谷育美アナ
大御所役のココリコ・田中直樹さんです。一際 大きな拍手と歓声が上がっています

家康役の別所哲也さん
家康役の別所哲也さん

また2日目は静岡県島田市出身の俳優・別所哲也さんが務め、地元で勇壮で華やかな姿を披露し、沿道の人に笑顔で応えていた。

徳川家康役・別所 哲也さん
笑顔を分かち合って、春からこの桜とともに、あるいはこの祭りをきっかけに新年度を頑張っていこうという思いに、皆さんになって頂けたら。徳川家康公もそのように思っているのでは

静岡ゆかりの今川氏真役・溝端淳平さんも

溝端さんが演じた今川氏の拠点は静岡
溝端さんが演じた今川氏の拠点は静岡

2023年のまつりには特別ゲストも登場した。
大河ドラマに出演する俳優の溝端淳平さんが花見行列に参加し、大きな歓声が上がっていた。

本谷 育美アナ
今川氏真役の溝端淳平さんが見えてきました。沿道の声援に笑顔で応えています

ドラマでは駿河の国・今川家の当主を演じていて、溝端さんは「『おかえりなさい』という声もあった」と、行列に参加した後 笑顔で振り返っていた。

俳優・溝端 淳平さん
本当に皆さんの優しさに出迎えられながら、とても良い時間でしたね

桜満開、晴天、コロナも減少傾向で

駿府城公園は桜が満開(2023年4月1日)
駿府城公園は桜が満開(2023年4月1日)

まつりの楽しみは花見行列だけではない。まつりの会場となる静岡市の駿府城公園は桜が満開で、4月1日と2日はお天気にも恵まれた。桜もちょうども見頃で、お花見スポットはたくさんの人で埋め尽くされた。

観光客
開放感もあるし花もきれいで人もたくさん出ていて、何か戻ってきたなという感じがします。しばらくコロナ禍でずっと自粛していたので、久しぶりに楽しい感じですね

「桜を眺める」「公園を散策する」「露店で買い物をする」、それぞれに春の風物詩を心ゆくまで楽しんでいた。

観光客
桜もちょうど満開で、見ながら散歩しても気持ちよいし、食べるものもおいしいし、とても楽しんでいます

歴史博物館は駿府城公園の隣にオープン
歴史博物館は駿府城公園の隣にオープン

静岡まつり実行委員会・久保田 隆 委員長
皆さんの笑顔を感じて、家族連れやカップルが楽しんでいる姿を見ると本当にうれしい。人の気持ちが戻ってきたというのが、今年はすごくうまくいっている理由だと思います。歴史博物館と浅間神社と(駿府城公園などを)一生懸命つなごうと考えてやりましたので、それがある程度 功を奏している部分もあり、それもよかったと思います

家康公も楽しんだ静岡の桜。
来場者の笑顔の花も満開で、華やかで賑やかな静岡まつりとなった。

静岡まつり来場者の推移は?

2023年は大変な混雑となったが、これまで新型コロナの影響で大変な苦労があった。静岡まつりの来場者の推移だ。
2018年は96万人で、大御所役をつとめたのは寺島進さんと泉谷しげるさんだ。
2019年は100万人で、間寛平さんと磯村勇斗さんだ。
そして2020年は、新型コロナの影響でまつりすべてが中止となった。
2021年はまつりは行われたが、密になりやすい「大御所花見行列」は中止され、来場者は29万人だった。
2022年は通常に近い形で実施され、鈴木福さんと保阪尚希さんが大御所役を務めた。2日間のうち一日が雨だったこともあり、来場者は58万人だった。
そして2023年の来場者は93万人、大御所役は田中直樹さんと別所哲也さんだ。

大盛況の5つの要因

大盛況となった要因は5つある。
1つ目が「家康ブーム」、大河ドラマの影響だ。
2つ目が「2023年1月にグランドオープンした歴史博物館や浅間神社との連携」だ。

溝端さん「後ろの人にも見えるように立った」
溝端さん「後ろの人にも見えるように立った」

花見行列に特別ゲストとして参加した溝端淳平さんも、たくさんの声援に驚いたようだ。

今川氏真役・溝端 淳平さん
静岡の方々の県民性でシャイな方が多いのかなと思っていたので。人が多かった分 、後ろの方にも、せっかく見に来てくださっているので、ちょっとでも楽しんでもらえたらと思って、立ち上がって手を振ったりしました。僕も初めての大河ドラマで、今川氏真というとてもやりがいのある役をやらせていただいて、これだけ静岡の方が温かく見守ってくださっていたので、僕も恩返しというか感謝の気持ちを込めてというのをずっと心がけていました

特別ゲストとして参加した和歌山県出身の俳優・溝端淳平(33)さん。
JUNONボーイ史上最多の40の芸能事務所から、オファーがあったそうだ。

花見行列に集まった見物客
花見行列に集まった見物客

こうした家康ブームの他にも要因が3つある。それが「天気に恵まれたこと」、「桜が満開の時期に重なったこと」、「人々の心が戻ってきた」だ。
新型コロナの出口が見え、まつりに積極的に参加しようという人が多かったようだ。

実行委員長は次を見据える。

静岡まつり実行委員会・久保田 隆 委員長
徳川と今川のつながりをどう生かすかなど、(賑わいが)一過性で終わらないよう検証したい。今年の注目をきっかけに、毎年たくさんの人が来るまつりにしたい

家康公ゆかりの浜松城
家康公ゆかりの浜松城

静岡市がおおいに沸いた静岡まつりが終わった。
5月には静岡市のライバル、浜松市の市民が熱く燃える「浜松まつり」がある。家康公は浜松に拠点を置いたこともあり、大河ドラマの家康役の松本潤さんが家臣役の俳優たちと武者行列を行う。浜松まつりの盛り上がりも今から楽しみだ。

(テレビ静岡)