たくさんの管につながれ、ベッドに横たわる女の子。小さな手で、しっかりと大人の手を握りしめ、じっとこちらを見つめている。

「あおちゃん。お母さんだよ、大丈夫だよ」

女の子の名前は、佐藤葵(さとう・あおい)ちゃん1歳。

3月30日、心臓の移植手術を受けるためアメリカに向けて出発した。

1歳で手術4回…「心臓移植しか助かる道はない」
生まれてすぐに、「先天性心疾患」と診断された葵ちゃん。
心臓のポンプ機能が低下し血液を送り出すことが出来ない「重症心不全」とわかった。

まだ1歳だが、受けた手術はすでに4回。

父・佐藤昭一郎さん:
娘が心臓移植しか助かる道はないと言われて。

補助人工心臓とペースメーカーによって、命をつないでいる葵ちゃん。そしてそれは、脳梗塞や脳出血、感染症のリスクと隣り合わせだ。

母・佐藤清香さん:
コロナでほとんど会えなかったICUでの日々の中でガリガリに痩せて、それでも久しぶりに親に会うと笑顔になる娘を見て、親としてできることは何でもしたい、しようと思いました。

費用は5億3000万円 わずか1カ月で達成
アメリカでの移植に向け、募金を開始したのは、2022年11月。渡航や手術に必要な目標の金額は、5億3000万円。

しかし多くの人から支援が寄せられ、わずか1カ月で達成した。
父・佐藤昭一郎さん:
何万人という方からご支援いただいて、本当に驚きと感動と感謝で本当にいっぱいという気持ちです。

30日、入院する病院を出発した葵ちゃん。たくさんのスタッフが見送った。

羽田空港で、特別チャーターのメディカルジェット機へ。

母・佐藤清香さん:
向こう(アメリカ)に行ってからいろいろ検査とか、移植リストに載るためにも時間がかかりますので、ちょっと不安もありますが、希望を失わずにというか、その日に向かっていければいいなと思っています。

葵ちゃんは、アメリカ・ニューヨークのコロンビア大学病院で検査などを行いながら、ドナーを待つ。

(「イット!」3月30日放送)