去年1年間に、全国の警察が摘発した暴力団組員らは9903人で、初めて1万人を下回り、過去最少となった。

警察庁によると、去年1年間に、全国の警察がで摘発した、暴力団組員と準構成員、暴力団周辺者は、おととしから1832人減って9903人だった。1万人を下回ったのは初めてで、過去最少を更新した。この30年間で、3分の1以下に減ったことになる(1992年・32850人)。

警視庁は、特殊詐欺事件の関係先として山口組本部を家宅捜索した(去年2月 神戸市)
警視庁は、特殊詐欺事件の関係先として山口組本部を家宅捜索した(去年2月 神戸市)
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摘発された事件の内訳は、最も多いのが覚醒剤取締法違反で全体のおよそ20%を占め、次いで、詐欺がおよそ14%にのぼった。特殊詐欺事件に暴力団が関与しているケースが多いためとみられている。

また、去年末時点で、暴力団組員と準構成員の数は、2万2400人で過去最少だった。

去年、暴力団対策法の施行から30年が経過し、その間に取り締まりが強化され、暴力団が活動しにくい社会情勢が背景にあるとみられる。

きょうも、警視庁は、特殊詐欺事件の関係先として山口組系の事務所を家宅捜索した(愛知・豊橋市)
きょうも、警視庁は、特殊詐欺事件の関係先として山口組系の事務所を家宅捜索した(愛知・豊橋市)

一方、2015年に分裂した山口組と神戸山口組の対立抗争は、依然として続いていて、「特定抗争指定暴力団」の指定期限が延長された。さらに、去年、抗争事件が相次いだ、山口組と池田組(岡山県)についても「特定抗争指定」に追加された。

指定によって警戒区域での集合や事務所への立ち入りなどが禁止され、活動が大幅に制限されている。

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