歌舞伎町で警戒を呼びかける

5日夜、人出が戻った新宿・歌舞伎町。
午後7時すぎ、感染予防を呼びかける東京都の職員らが、歌舞伎町を練り歩き、注意を呼びかけていた。

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5日も新たに20人の感染者を確認。
5日連続で2桁となった東京都。

東京都・小池知事:
まだぎりぎり20人ということで、きょうも20代が8人、30代、40代がそれぞれ4名ずつ。
調査中が12人となっているが、夜の街関連ということがあると思う。

感染者の中には、会食パーティーに参加した男女、ホストの男性2人、接待をともなう飲食店の女性客が含まれている。

目下、夜の街で新規感染が増える中、都は東京アラートの発動期間中、
毎週木曜日と金曜日に、都や区の職員に医師会も加わり、繁華街で注意喚起を促すと発表した。
初日の5日夜は、とりわけ感染者が多いと小池知事も名指しする新宿・歌舞伎町へ。

同じ歌舞伎町では、2カ月前にも見回りが行われていた。
しかし、このときは緊急事態宣言のまっただ中で、警視庁の警察官らが人々に直接声をかけ、帰宅を促していた。

一方、5日夜は、都の職員らがソーシャルディスタンスを求める用紙を掲げ、拡声器で幅広く感染拡大防止の協力を求めるにとどまっていた。

新たな対策は?

夜の街に潜む、感染のリスク。
5日、小池知事は新たな対策について明言した。

東京都・小池知事:
来週12日には、店でもいろんな種類があるが、ガイドラインの徹底をできるようにチェックリストをお配りする、
もしくはダウンロードしていただく、ちゃんとそれをやっておられるお店の方々には、店名も入って、そこにマル適マークではないが、この店はしっかりやっていますという表示が出せるような工夫もしていきたい。
利用する方も事業者も安心できるような方法を見いだしていきたい。

夜の街で見回り 感染防止と経済の両立は?

内田嶺衣奈キャスター:
人出が戻ってきている夜の繁華街では、今日から見回り活動も始まりましたがどのようにご覧になりますか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
これはまさに夜の繁華街は感染のリスクが高いということで、しっかり押さえていくか非常に大事ですよね。
ただ同時にお店が活動再開していますから、この活動との両立をどうしていくのかますます悩みが深いと思うんです。
深い悩みを解決する、両立する上での切り口として夜の経済のあり方自体が変わっていく必要があるのではないか。
こんな言葉で表現してみたのですが、
「ナイトタイムエコノミーの変容」ということで、この変容のあり方に両立のカギがあるんじゃないかなと思うんです。

内田嶺衣奈キャスター:
夜動く経済のあり方の変わり方ということですか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
「ナイトタイムエコノミー」というのは、従前、夜遅い時間まで外で活動できるようにして夜の消費を喚起していこう。
こういった動きだったわけなんですけれども。
私は最近のコロナの期を経て、この方向性が大きく変わっていく。
もっと言えば真逆の方向に変わる可能性があるのではないかという風を私は見ているのです。
これまさにコロナの期間の中で、我々は自粛ということで外出を控えたり、在宅勤務ということで日中も在宅にいる時間が増えたわけですよね。
それが意味するところは消費の比重が、例えば外出の外に出るだけではなくて自宅の消費が増えていった。
また実際に外に出るのは、夕方昼まで含めた早い時間帯。
こういった時に消費の比重が増えてきたということになるのですね。
そうしますと今までの「ナイトタイムエコノミー」が夜遅い時間の外出を選定していたところからですね。
これから早い時間帯のところも含めて、また自宅の消費も含めていかに取り込んで変わっていけるかどうか。
この辺が問われる時代になってきたのではないかなと思うのです。

内田嶺衣奈キャスター:
そのような変化の中ではどんな需要が考えられますか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
実際に今飲食店、特に居酒屋さんである小料理屋さんのお昼にお弁当を作ったりとか、夜もデリバリーして自宅に届けたりということで、まさに早い時間帯であるとか自宅の消費を取り込もうとしています。
それ以外にもバーチャルということで、例えばスナックとかもリモートでつないでお店をやるみたいな形式が出てきたり、また面白いところで言うと歌舞伎町のホストクラブが夕方とかお昼にカフェを開く業態も出始めてきているんですよね。
こういった早い時間帯に自宅も取り込むという動きは、これからますます出てくるのではないかなというふうに思いますね。

内田嶺衣奈キャスター:
私の周りでも外出自粛中の家の居心地が良くなりすぎてしまって、なかなか外に出たい気持ちが前ほどわかないかもしれないという声も多いです。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
自宅と今までの形に加えて自宅だとか早い段階で選択肢が増えてくる。
これは大きな変化だと思うので、お店からすればいろんな選択肢をお客さんの接点を増やして関係をいかにお客さんと深められるかどうか。
このように新しい夜の経済のあり方があるんじゃないかなと期待したいと思います。

内田嶺衣奈キャスター:
夜の街の経済はどのような変容を見せていくのでしょうか。

(「Live News α」6月5日放送分)