雪山の奥深くに住む東出昌大に会いに行く 人気俳優から一転…今の暮らしぶりは?
東出昌大:
仕事柄なのか自分の自意識なのかわからんけど、東京にいるとどうしても人の目を気にしちゃって…
約3年前にスキャンダルが報じられてから、ほとんどテレビカメラの前に立たなくなった俳優・東出昌大さん35歳。
1年ほど前に都心を離れて、人里離れた山での生活を始めました。今や“猟師”としての顔も持ち、時に険しい雪山に分け入って、何日もシカを追いかけることもあるといいます。
この記事の画像(16枚)今年1月、「めざまし8」は、そんな山で暮らす東出昌大さんの暮らしにテレビ初密着しました。
車一台がようやく通れるだけの山道を進んだ場所に、東出さんの住まいがありました。
ディレクター:
めざまし8です。よろしくお願いします
東出昌大:
東出です。こんなところで、まあまあどうぞ。火があるので、暖かいところで
案内されたのは、「リビング」。
リビングと言っても、家の軒下をシートで囲っているだけの、半屋外の居住スペースです。ここで、今年になって新たに飼い始めた愛犬の「しーちゃん」と暮らしています。
東出昌大:
冬は寒すぎるので風よけに。なんか事件現場みたいになっちゃって(笑)
この日の気温はマイナス3度。住まいに電気は通っているものの、暖房器具はありません。
――ガスは?
東出昌大:
ないっす。この薪で煮炊きしているので、普段
――燃料も自分で調達されるんですね
東出昌大:
そうです。タダ
たき木にするための枝などを集めるのが日課。薪割りは、数時間にわたって斧を振るい続けることもあるそうです。
――腕がバキバキになりません?
東出昌大:
もう慣れました。なんか力がそんなに必要じゃなくなるんです。慣れてくると
水は山の沢から引いているため、水道代もかかりません。
東出昌大:
生活費?マジかからんですよ。2万円とか2万5000円とかじゃないかな。月に水道代かかんないしガス代もないし
住まいの裏手には、自ら耕したという畑が。
東出昌大:
夏野菜 秋野菜が全部終わって春前になったら耕運機で掘り返してまた春野菜を植えようと思って
――前までは主に何を育ててらっしゃったんですか?
東出昌大:
トマト、ナス、キュウリ、インゲン、万願寺とうがらしにシシトウ、二十日大根、あと大豆もかなり食べれました。でもまだ1年目なのでまだまだへたくそで
東出さん自ら作ったという保存食もありました。
東出昌大:
梅干し食べれますか?
――いただきます 全然 辛くないというか おいしい甘いですね
東出昌大:これハチノコ スズメバチ。ハチの駆除業者からもらった。食べます?
――いや大丈夫です
東出昌大:
ウソ!?食べますの流れじゃん。おいテレビマン!笑。油で煎って食べるんですけどすごいうまいですよ
――…すごく気になってるのがお肉。骨が置いてあるんですけど
東出昌大:
これはシカです あとで犬のご飯になる。こっちはイノシシの前足です
東出さんは、5年前に狩猟免許を取得。今では、自ら山で獲物を狩り、解体、調理に至るまで全て自らの手で行っているといいます。
午後7時。夕飯の時間です。釜をストーブにセットします。「1、2、3、4…」とお茶碗の数を数える東出さん。
――もしかしてスタッフの分も作ってくれてます?
東出昌大:
もちろん。みんなで食った方が楽しい
作ってくれたのは、狩猟でとれたイノシシの腸や心臓などを使ったモツ煮と、イノシシのロース肉の焼き肉。
米は昔ながらの釜で炊くのが、東出さんのこだわりです。
東出昌大:
めっちゃ肉食ってるって感じ。たぶん食べればわかる。力がみなぎるぐらい肉です。うまい!
日々、自らの手で狩った肉を食べている東出さん。どのようにして獲物をとっているのでしょうか?
東出さんの猟師としての顔…狩猟に同行した取材班が見た“別の顔”
2月10日。関東甲信越に大雪が降った翌日に、狩猟に同行させてもらいました。
――今日 狙うのは?
東出昌大:
シカ。猟師の先輩たちに言わせると、きのうが雪だったり強風だったり雨だったりのときはシカも夜の間ろくに休めないで集中力が日中切れやすいしご飯を食べに回ってるというので今日あたり条件はいいだろうなと思うんですけど
東出昌大:
これから山に入っていくんですけど絶対に僕の前には出ない。僕よりも10メートルくらい後ろを歩いてください。僕が立ち止まったら必ず止まってください。しんどくなったら声上げていいです。でもそれ以外の時は絶対に静かにしてください。しゃべらないように
獲物に気づかれないための鉄則を告げると、静かに雪山の中へ。
4キロほどあるという猟銃を背負いながら、急な斜面を歩きます。雪山に慣れていないスタッフは、ついて行くので精いっぱいです。
東出さんが行う狩猟は、一人で山に入り獲物を追う「単独忍び猟」と呼ばれるもの。
トラブルに見舞われた際などは、すべて一人で対処しなければなりませんが、大人数で山に入るよりも獲物に気づかれにくいメリットがあるといいます。
時折 周囲に目をこらしながら、雪山を奥へ奥へと進む東出さん。
小川にも躊躇することなく入り、膝下まで埋まる新雪の中でも歩みを止めません。
雪山をひたすら歩きますがこの日は獲物に出会うことはありませんでした。
翌日も東出さんは再び猟場へ。
前日とは別の場所。雪は少ないものの道のない急な斜面をひたすら登ります。この日も、スタッフは東出さんの背中を追って必死についていきます。スタッフが枝を踏んでしまうと…、
東出昌大:
なるべく枝を踏まないように
物音は厳禁。
さらに、山の奥へと進むと…突然、鳥の声が響き渡りました。
東出さんは歩みを止め、付近で腰を下ろします。
東出昌大:
この『ジェジェジェ』っていうのがカケスって鳥なんです。こいつが鳴いてる時は山に緊張感があるんです。だから鳴きやむまで今、待ってるんです
山に入って、40分。手招きする東出さんに近づくと、シカの足跡がありました。
シカの存在を感じながら、さらに山を登ると、また東出さんがスタッフを手招きします。
東出昌大:
あそこに望遠で寄れます?
東出昌大:
いる?
――います
ついに見つけたシカの姿。緊張が走り、すぐさま猟銃を構えます。ところが、東出さんは不意に構えを解きました。
実は東出さんの猟銃が正確に狙える距離はおよそ100m。シカとの距離は200mほども離れていたのです。それでも再び猟銃を構えます。
じっくりと狙いを絞り…引き金を引きました。
弾は命中したのでしょうか?
東出昌大:
弾入ってるか見に行きましょう。僕、急いで行くので無理して着いて来ずとも
滑りながらシカがいた谷へ降りていく東出さん。しかし、再びあのシカを見つけることはできませんでした。
獲物を仕留めることができなかった。
東出さんは、あの瞬間、引き金を引いたことを後悔しているといいます。
東出昌大:
なんであの時撃っちゃったんだろうって、やっぱりダメだったなって思ったんです。いいところに当たらないと無駄に傷つけて苦しめてもかわいそうなので、外すくらいだったら当たりどころが悪い可能性もあったからだったら最初から引き金を絞らないほうがよかったのにって
“猟師”の顔から“俳優”の顔に…“2つの顔”を持つ男
シカを追いかけた2日後。東出さんは映画の舞台挨拶に登壇するため、東京にいました。
――間もなく舞台挨拶ですけどいかがですか?
東出昌大:
いかがかということもない 普段通りです
――今日はビシっとされてるから
東出昌大:
そうですね 山の格好じゃここにいれないから
東京・六本木で行われた東出さんの主演映画「Winny」の舞台挨拶。
映画の中で、東出さんはソフトの開発者で不当に逮捕された主人公を演じます。
東出昌大:
芝居はキツイこともある。山の生活もキツイこともあるけど、山の生活はしたくてしてること。お芝居はわからなかったり無理難題だったりどうやったらもっと良くなるんだろうって考え続けることだから、キツさの種類は違うけど今は両方好きなんだと思います
(めざまし8 3月8日放送より)