石川県の谷本正憲前知事が2016年まで暮らしていた、金沢市にある知事公舎。その活用方法について、アイデアを出してもらおうと石川県民を対象に初めて一般公開された。これまで一部しか撮影は許されなかったが、一般公開に合わせて全面公開。いったいどんな場所だったのか、見学会を取材した。

初の一般公開!加賀万歳も披露された知事公舎

石川県金沢市広坂にある知事公舎。

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建設は大正15年。今から約100年前のことだ。

2016年まで、前の知事が暮らしていたが、その後、空き家になって久しい。2022年に馳知事に代わり、今、知事公舎をどう活用するか課題となっている。

石川県管財課 福井誠課長:
和洋折衷の魅力があるので、今回の一般公開で皆さまに体感していただきたいと思います。

県民に利活用のアイデアを求めようと開かれた今回の見学会。当初は4日間で400人の参加者を見込んで募集したところ、予想を超える2000人の応募があり、急きょ県は定員を1000人に増やした。

ガイドさん:
みなさまがいらっしゃる、この大応接室は知事公舎の中で1番広く、天井部分には1926年(大正15年)当時の装飾が残っているのが特徴的です。

正月に加賀万歳を披露する時に使われていたこの場所。職員との会議も行われていたそうだ。

大応接室には、かつての知事が座っていた赤い座布団が置かれていて、参加者は座布団に座り
知事気分を味わっていた。

座布団に座った人:
ふかふかですね、見晴らしもようございます。

カメラ初潜入!和洋折衷な建物内部

ここからは、これまでカメラも入ったことがない場所。居間や寝室として使われていたと見られる和室だ。

いつもは止まっている庭の噴水もこの日のために動かされ、中西元知事や谷本前知事が住んでいた当時の様子が蘇った。

見学した人たちからは「こんなりくつな(巧みな)噴水までしてある。」「手入れが大変かもしれないけれど、残したいね。」といった声が聞かれた。

この他、知事公舎に移築された明治時代の蔵や…西洋の住宅に見られる折れ曲がり階段など、参加者は和洋折衷の知事公舎を楽しんだ。

見学者:
観光地が近いので、休憩できるようカフェとか、中庭も素敵だったので中庭の見えるレストランなんか素敵なだなと思いました。

福井課長:
一人一人の色んな意見を伺って、今後の検討に役立てていきたいと思っています。

歴代の知事と県政を見つめてきた知事公舎をどのような場所にするのか。

県は2023年3月下旬に検討委員会を立ち上げ、見学した県民の意見を参考にしながら議論を進める方針だ。

他県の知事公舎の活用法を見ていく。お隣の富山県は地元ゆかりの作品を紹介する文学館になっている。庭園を眺めるレストランなども整備され人気スポットになっているそうだ。

また、佐賀県の知事公舎も昭和天皇が宿泊したなど貴重な建物で、お茶会用に貸し出したり、紅葉の季節に庭園を一般公開したりしている。県の知事公舎には一体どんなアイデアが寄せられるのだろうか。

(石川テレビ)

石川テレビ
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