ピアノの「連弾」に情熱を注ぐ姉と弟。2人はこのほど全国大会で1位に輝き、早くも次の目標に向けて練習に励んでいる。表現力豊かな弟、確かな技術の姉。息の合ったきょうだいの演奏は聴く人を魅了する。

全国1位 高校生以下の連弾の部

きょうだいの「連弾」
きょうだいの「連弾」
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♪「春」(シャミナード 作曲)

一つのピアノを複数で奏でる「連弾」。

中嶌美結さん(17)と洸瑛さん(16)のきょうだいだ。

主に主旋律を奏でる高音パート「プリモ」は弟の洸瑛さん、それを支える低音パートの「セコンド」は美結さん。

♪「スペイン舞曲Op.12-2」(モシュコフスキ 作曲)

4つの手が生み出す深く、厚みのある演奏。

2人は2022年のクリスマスに神奈川県で行われた全国大会に出場。高校生以下の連弾の部でみごと1位に輝いた。

全国大会・高校生以下の連弾の部で1位
全国大会・高校生以下の連弾の部で1位

姉・美結さん:
全国1位っていうのはすごくうれしくて、メロディと伴奏のバランスがすごくよかったなって思って

弟・洸瑛さん:
(1位は)今までない感覚というか、ぞわっと鳥肌がたつ感じで、僕たちだけの一体となった音っていうのが審査員の先生方に届いたのかなと

息を合わせて演奏「すごく楽しい」

ピアノ経験者の母親に勧められ、美結さんは2歳からピアノを始め、翌年、追いかけるように洸瑛さんも始めた。

「連弾」を始めたのは美結さんが小学4年、洸瑛さんが小学3年のとき
「連弾」を始めたのは美結さんが小学4年、洸瑛さんが小学3年のとき

「連弾」を始めたのは美結さんが小学4年、洸瑛さんが小学3年のとき。2人を指導してきた音楽教室の市川さんは当時から「2人に向いている」と感じていた。

ヤマハ音楽教室・市川美奈さん:
美結ちゃんはコツコツなので、だんだん仕上がってきて、曲が楽しくなってきて、仕上がっていくっていう。洸瑛くんの場合は、曲のイメージが先に来て、それをどういうふうに作っていこうかっていう感じ

2人も多彩な音を奏でられる連弾に魅せられていった。

息を合わせて多彩な音を奏でる
息を合わせて多彩な音を奏でる

弟・洸瑛さん:
2人でやることによって幅が広がる、なのでできることが増える

姉・美結さん:
音が増えるので華やかになって、一緒に息を合わせて演奏することもすごく楽しい

異なるスタイル 互いを尊重

2人を指導する市川美奈さん(右から3人目)
2人を指導する市川美奈さん(右から3人目)

2人とも、ソロでも県内外のコンクールで入賞する腕前だが、指導者の市川さんは連弾では、2人の異なるスタイルが溶け込み、より一層、演奏に深みが出ると話す。

ヤマハ音楽教室・市川美奈さん:
相性は抜群で、洸瑛くんがメロディーを華やかに歌ったりして、美結ちゃんがそれを支えるという感じで、曲がスッキリまとまって表現豊かになっていく

 
 

洸瑛さんの豊かな表現力と美結さんの確かな技術。尊重し合って初めて一つになる。

弟・洸瑛さん:
僕の主張が入りがちかもしれないんですけど、優しい姉だからマイペースな人間も受け入れてくれますし、それがピアノの音にも出ているので

姉・美結さん:
(洸瑛さん)一言で言ったら本当、マイペース。私にはできないくらい、その曲に対しての思いがすごく強いので。それでその思いを曲にのせるのがすごく上手なので、こういうふうに弾きたいんだなとか、聴いていて飽きない、すごいなと思います

演奏を見守る 父・一生さん(右)と母・利佳さん
演奏を見守る 父・一生さん(右)と母・利佳さん

きょうだいを見守ってきた両親は…。

父・一生さん:
楽しそうなうえに夢中になっているということが、親としてはうれしいなと思います

母・利佳さん:
好きなことを見つけてくれてありがとうっていう感じです。(全国大会で)2人でとった1位っていうのが親としては最高のプレゼントをもらったような、本当にありがとうという気持ちでうれしかったです

♪「赤とんぼ」(山田耕筰 作曲)

2人とも将来は音楽以外の道も探りたいとしているが、今は6月に開かれる国内最大級のピアノコンクールに向けて意識を高めていきたいと話している。

弟・洸瑛さん:
来年度は姉が受験生になってしまうのでさみしいんですけど、今を全力で取り組めたらと思います

姉・美結さん:
全国大会目指して本気で練習に取り組んでいきたいと思うんですけど、大事なのは楽しむことだと思うので、いつ(高校)最後になるかわからない連弾のステージを、常に楽しんでいきたいなと思います

(長野放送)

長野放送
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