食べ放題で人気のしゃぶしゃぶ専門店「しゃぶ葉」。
店内にあったビュッフェのドライフルーツを帽子に入れて、大量に持ち出したとみられる動画が拡散されています。

動画では「しゃぶ葉のドライフルーツ好きすぎて帽子に詰めてきちゃったTV」という文字とともに、男性がかぶっていた帽子を脱ぐと、中から色とりどりの干しぶどうのようなものがこぼれ落ちます。男性はそのまましゃがんで地面に散らばったものを拾い、口に入れました。

2023年に入り、SNSで拡散されているいくつもの迷惑動画。拡散されている迷惑動画のほとんどが“若者”によるものです。
こうした事態を受けて、今、“Z世代叩き”と呼ばれる現象が起きています。

迷惑動画が“Z世代叩き”に発展「みんなが悪いことをしてると思わないで」

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「Z世代」とは、1990年代半ば以降に生まれ、幼い頃からスマホやSNSに親しんでいる世代の俗称です。迷惑動画の多くが若者によるものであることから、SNSなどでは「Z世代は最悪 日本の恥」「何がZ世代だ 最悪の世代だわ」と世代まるごと揶揄する、“Z世代叩き”の声が。

これに対して、Z世代と呼ばれる若者たちからも、反論が。

高校3年生:
一部の人がそういうことをやってると思うので、そういう全体として、若者だからっていうふうに、みんなが悪いことしてるっていうふうに思わないでほしい。

大学2年生:
大人の世界で飲み会とか行った時もひどいじゃないですか。僕らと同じことは絶対に経験してるけど、動画がないだけだと思うので。たたかれてしょうがないですけど、そこまで言う必要もないのかなと。

「めざまし8」スペシャルキャスター・カズレーザー氏は、“Z世代叩き”という言葉について…

カズレーザー氏:
「Z世代叩き」という言葉は気にしなくていいと思います。「団塊世代」って言葉もありますし、ラベリングで我々語りがちですけど、そういうのは基本的にその世代にいない人が勝手に付けているもので、やはり“本質”はついていないことは、我々分かっているじゃないですか?もし気にする子がいるのならば、それは何も意味の無い言葉なので。

Z世代に詳しい、元女子高生起業家で、JC・JKの流行語大賞プロデューサーも務める椎木里佳氏は、投稿の中に若者が多い理由についてこのように推察します。

椎木里佳 氏:
7、8年前にちょうど私が高校生くらいの時に、いわゆるバイトテロですとか、バカッターというような迷惑行為がツイッター上で自ら行われていたんですけども、その世代ではそういった迷惑行為は社会的に大きな責任を伴う、ということを自覚している方が多かったです。
それから7,8年がたって今の中学生や高校生の方たちはその流れを知らないので、また迷惑行為をインスタグラムのストーリーだとかに投稿してしまう…。(今度は)第三者を通して再拡散されているんですね。Z世代だからこそというものでは無くて、「若さ来る無知」というものが一番大きな要因なのではないかなと思っています。

“拡散”の変化 新たに生まれた「暴露系」

ITジャーナリストの三上洋氏は、過去の「バカッター」「バイトテロ」などの迷惑行為を投稿していた現象と、現在の迷惑動画は、“拡散方法”に変化があるといいます。

過去の迷惑行為の投稿
過去の迷惑行為の投稿

過去の迷惑行為の投稿は、いずれも自ら撮影した動画を、自分ないし近しい人が投稿し、“拡散されることで承認欲求を満たす”という形でした。

2021年以降の拡散は、いわゆる“さらし”の形へと変化
2021年以降の拡散は、いわゆる“さらし”の形へと変化

しかし2021年以降、自ら拡散するのではなく、第三者が拡散する“暴露系”、いわゆる“さらし”の形に変化しました。

これは、友人や親しい人とのみ共有するために、非公開アカウント・インスタグラムのストーリーズの限定公開などを利用し、広く拡散されないようにしていたものが、見ることができる内々の人間の“誰か”が流出させ、それを見た第三者が共有、不特性多数のユーザーに拡散し、炎上するというものです。

この変化の裏には、“暴露系”と呼ばれるものに対する「人気」が関係していると椎木氏はいいます。

椎木里佳 氏:
近年は“暴露系”のツイッターなどが人気になっており、これはインプレッション数、いわゆる見ている人の数というのが、2000万というものも中にはあります。そういったメディアは一般の方が運営しているものが多く、大きなメディアよりも“一般人の方を「さらす」”ことができるのです。
それにより、暴露系メディアのアカウントに通報・告発していった方が、より一般人のストーリーズでも載せてもらえる。そういった流れになってきているのかなと。

起業家・ニュースメディア「ウートピ」元編集長 鈴木円香 氏:
とにかく過剰反応はやめてほしいですね。こういうのは反応しないのが一番の解決策なので。

風間 晋 解説委員:
迷惑行為をアップしたり、拡散したり、それをひっくるめてやめてほしいですね。この先どういう影響を持ってくるのかってことを、携帯をプチッとやる前に考えてもらいたいですね。

(めざまし8 2月17日放送)