温暖で平野部ではめったに雪が降らない静岡県で、2023年2月15日 珍しい現象が起きた。午前中 静岡市や浜松市、それに富士山麓の御殿場市では雪が降らなかったのに、最南端の岬・御前崎の周辺だけに雪が降った。気象予報士によると、静岡県に雪が降る3つのパターンのひとつにあてはまったからだそうだ。
冬も平均気温8℃前後 雪が降ればニュース

北側に富士山や南アルプスがそびえる静岡県は「温暖の地」として知られ、球春にはプロ野球チームがミニキャンプをすることもある。12月~2月の平均気温は8℃前後で雨も少なく、雪は平野部ではめったに降らない。
東京にも雪が降った2023年2月10日には、御殿場市で積雪5cmを観測し、県内では大きなニュースになった。
最南端の御前崎だけ雪

その静岡県で2023年2月15日午前に雪が舞った。
ただ降ったエリアは県内最南端の岬・御前崎の周辺だけで、静岡市や浜松市、それに静岡県のなかでは雪がよく降る御殿場市も降らなかった。
気象予報士によると、御前崎にだけ雪が降った理由は、「上空の強い寒気」と「局地的な前線ができた場所」にあるという。

小塚恵理子気象予報士:
まず寒気です。15日は冬型の気圧配置が強まり、この時期としては強い寒気が南下しました。上空1500m付近は-6℃以下の寒気に覆われました。-6℃は平地で雪が降る目安とされる寒気です。ですから、15日朝の県内は前線ができれば、どこでも雪が降る可能性がありました。

小塚恵理子気象予報士:
次に局地的な前線ができた場所をみていきます。
冬は強い北寄りの風が吹きます。北風は中部の山脈にぶつかって東や西に回り込み、静岡県付近では北西の風と北東の風が地上付近でぶつかって上昇気流が発生し、局地的な前線が発生しやすいのです。こうした場所に雨雲が発生します。

小塚恵理子気象予報士:
15日朝はこの雨雲が御前崎付近にだけ発生していました。

小塚恵理子気象予報士:
御前崎の降り始めは午前7時10分頃。御前崎の気温は2℃台で、湿度は47%とやや乾燥していたので降水が雪となりました。

御前崎市の雪は午前9時前後に強まったが、午前10時以降はみぞれから雨に変わった。御前崎上空は冬に局地的な前線ができやすく、2021年12月にも雪が降っている。
温暖な静岡県に雪が降る3つのパターン
小塚気象予報士によると、温暖な静岡県で雪が降るパターンは3つあるという。
ひとつは、「南岸低気圧の通過」で、この場合は山間部中心に大雪となるそうだ。
二つ目は「強い冬型気圧配置」で、県西部・中部の山間部で雪が降るケースだ。
三つ目が「局地的な前線」で、今回の御前崎の雪は、これが原因だった。
(テレビ静岡)