治水対策の1つとして注目されている「田んぼダム」について、山形県が行った試験の成果が関係者に報告され、川の氾濫を遅らせる効果が認められた。

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全国で導入進む…農業関係者から要望も

「田んぼダム」は、水田の排水口に小さな穴が開いた板を設け、大雨の際、川や水路に流れる水の量を一時的に抑える治水対策の1つ。

全国で検証や導入が進む中、県も2022年度から検証試験を始め、農業関係者が集まった13日の会合で、得られた試験データが報告された。

置賜地区で行われた試験では、2022年8月の記録的豪雨の際は、試験場の水田から水があふれ、詳細なデータが得られなかった一方、2022年7月の大雨の際は、田んぼダムを導入していない水田に比べ、ピーク時に流れ出た水の量が53%、翌日までの総排水量が30%減少し、川の氾濫を遅らせる効果が認められたという。

出席者からは、「効果が数字で示されたことで、農家へのPRにつながる」、「農家に対する優遇措置があれば、より普及が進む」といった意見が出された。

県は、2023年度以降、村山地区と最上地区で試験を行う計画。

(さくらんぼテレビ)

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