東京都は、2月10日から都内でスギ花粉が飛び始めたと発表するなど、いよいよ全国的に花粉が本格化する季節となった。

今年は、飛散花粉数の「多い日」の日数が多くなる恐れがあるという。

どういった日に注意が必要で、我々にできる対策は何か。都内の状況について都の担当者に聞いた。

今年は飛散花粉数の「多い日」の日数が多い

ーー花粉はいつごろから飛散し始めた?
東京都が発表した飛散開始日(1月以降に、1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を2日以上連続して観測した最初の日が、その観測地点の飛散開始日)は、2月10日です。

ただし、この開始日前から飛散開始の定義には当てはまらない“少数の花粉”は検出されています。

顕微鏡で確認した青く反応したスギ花粉
顕微鏡で確認した青く反応したスギ花粉
この記事の画像(4枚)

ーー例年に比べて飛散量は多い?
都では、今シーズンの都内の飛散花粉数の予測として昨春の2.7倍、10年平均の2.3倍を公表しています。

なお、過去の統計データを見ると、大体5年ごとの周期で飛散花粉数が多くなる年が出ており、今シーズンの飛散花粉数は2005年から行っている現体制での測定の中で、5本の指に入るぐらいの多さとなります。

ーーいつ頃がピークになる?
都では、ピークの時期は予測していません。なお、1平方センチメートルあたり30個以上花粉が観測された場合を飛散花粉数が「多い日」としています。昨シーズンの飛散花粉数が多い日は約30日でしたが、今年は約50日と予測しています。

このことから、花粉症の方には辛い状況が長く続く可能性があります。

ーー長く続く理由は?
花芽の成長には、前年の6月、7月の日射量が影響するとされています。

昨年の同時期は、晴れ間が多く花芽の成長が促されたということ、また、ここ数年は飛散花粉数が非常に少なかったことも考えられます。

晴れて、暖かく、風のある日に要注意

ーー今はどんな花粉が飛んでいる?
現在はスギ花粉が主になります。しばらくすると、スギとヒノキが混在して飛び始めます。

なお、花粉症の原因はスギやヒノキだけではなく、夏に花が咲く草本類、例えばイネ科の植物でも症状がでることが報告されているため、今の時期以外にも注意が必要です。

(イメージ)
(イメージ)

ーーどういう日に注意が必要?
スギの花粉は風によって運ばれるという特徴があるため、先ずは風が強い日は注意が必要です。

また、「晴れて、暖かい」という条件が重なると、飛散花粉数が多くなります。

ーー私たちはどう対策したらいい?
症状を和らげるためには、花粉との接触を極力防ぐことが必要になります。

そのためには、マスクやメガネをかけていただくこと、また、外出から帰って来たときに上着などに付着した花粉をよくはらうこと、さらには生活リズムなどの体調を整えることです。

今年は、飛散花粉数が多いと予測されているため、初めて花粉症を発症する方が多くなる可能性もあります。

また、症状が似た風邪と区別がつきにくいところもあるので、体調に変化を感じた場合は医療機関を受診することをお勧めします。

花粉情報を参考に万全な対策を

東京都では、日々の花粉の飛散状況をホームページで公表している。

ーー花粉の飛散情報はどこで確認できる?
保健所等で測定した飛散花粉数の結果は、東京都のホームページ「アレルギー情報navi.」で公表しています。スギ・ヒノキシーズンの結果は午後に更新しているので、そのデータを参考にして花粉症対策を万全に整えていただければと思います。

その後は、草本類の花粉が飛散するので、5月中頃から11月頃までは、週に2回測定してホームページを更新しています。