「都会風を吹かさないよう心掛けてください」

福井・池田町
福井・池田町
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人口約2300人の、のどかな町、福井県池田町。
過疎化が進むこの町で、今、“移住者”らへのメッセージとして公開した「池田暮らしの七か条」が物議を醸しています。

池田町の広報誌に掲載された「池田暮らしの七か条」
池田町の広報誌に掲載された「池田暮らしの七か条」

七か条の中には、「時として自然は脅威となることを自覚してください。ご近所の助け合いを心掛けてください」という自然の中で暮らす上での注意とともに、「都会風を吹かさないよう心掛けて」「多くの人々の注目と品定めがなされていることを自覚して」と少し厳しいと感じるような文言も書かれています。

「これまでの都市暮らしと違うからといって都会風を吹かさないよう心掛けてください。」
「これまでの都市暮らしと違うからといって都会風を吹かさないよう心掛けてください。」

これに対し、「受け入れられている感じがしない」「暮らしづらいのかなと、身構えちゃう」と否定的な声がある一方で、「移住はいいことばかりじゃないよ、って言ってくれるっていうのは親切でいい」と好意的な意見も。

なぜ池田町は、こうした「七か条」の公開に踏み切ったのでしょうか?

“きっかけ”は住民同士の「すれ違い」…複雑な思いの移住者ら

「七か条」を作成したのは、町内にある各集落の区長が集まった区長会です。作成したきっかけは、移住者たちと地域住民との“すれ違い”だったといいます。

池田町の現区長の一人、畑中善夫さん(72)
池田町の現区長の一人、畑中善夫さん(72)

現区長の一人 畑中善夫さん:
集落の昔からの行事とか奉仕事業とか、そういうのに(移住者に)参加を拒否されたり、町内会費っていうのがありますけど、それらを「払わなきゃならないのか?」っていうトラブルも他の集落であったと。それを防ぐための「七か条」やと思います。

さらに、事務局として「七か条」を広報誌に掲載した池田町の総務財政課・課長は、後悔や誤解からのトラブルを防ぐために、町のスタンスを“ありのまま”伝えようとしたといいます。

池田町総務財政課 森川弘一 課長:
どうしても(池田町に)入った後に、「そんな話聞いてない」とか、「そういうつもりじゃなかった」とかなると、やはりそれが後々のトラブル等につながる恐れもあるので。
いろいろなことがありますよ、っていうのを包み隠さず。

都市部から池田町に移住してきたAさんは、池田町を「どこから見ても美しいので(町の)どこ歩いても好き」と話します。

「七か条」について、“池田町が好き”だからこそ、複雑な胸の内を明かします。

都市部から移住したAさん:
(移住者の中でも)「これぐらい言った方がいいよね」っていう意見だったりとか、すごく胸を痛めた人とか、様々です。
4条とか「価値観を押し付けないこと」とか「都会風」の部分とか、ちょっと“トゲ”を感じてしまう部分もあったなと。

(めざまし8 「NewsTag」より2月10日放送)