SDGs思考の修学旅行プランを高校生が競う「観光甲子園」。広島市の女子高生グループは人口減少が進む江田島市の課題解決をテーマにした修学旅行プランを提案し、準グランプリに輝いた。
“課題解決を体験する”修学旅行
(1月、広島女学院高校で)生徒：
海ごみってプラスチックだけだと思っとった！
放課後の教室から聞こえてきたのは「海ごみ」や「空き家率」という言葉のやりとり。
Ｑこれは？
生徒：
牡蠣の殻です
広島女学院高校1年生の5人が取り組んでいるのは、全国の高校生が観光事業プランを競う「観光甲子園」へ出すプランづくり。
SDGs思考で修学旅行プランを計画する「SDGs修学旅行」部門で全国の高校生457チームから予選・準決勝を通過し、上位5チームによる決勝まで勝ち上がった。
提案する修学旅行の舞台に選んだのは人口減少が進む江田島市。広島県内に住む5人にとって、これまで縁もゆかりもなかった場所だ。
生徒：
もともと江田島に住んでいなかった方々が、江田島を変えようと移住してこられた姿を見て、私たちにできることがあればやってみようということになった
江田島を探究し、しっかりと作りこまれた修学旅行の事業計画書ができあがった。
生徒：
スマートフォンとか自分たちが最近デジタルに頼っているという現状があるので、スマホなどに一定期間触れないデジタルデトックスをして、自分たち高校生自身が成長できる修学旅行を作りたい
迎えた決勝当日。
生徒：
ちょっとお腹が痛い…
一時はリラックスした様子もあったが出番が近づくと、緊張が襲いかかる。
生徒：
江田島の方々が、きょうみんなで集まってみるよと言ってくださったので頑張りたい
決勝は「江田島の未来へつなぐ３R」をテーマに事業計画書と5分の動画でプレゼン。
生徒：
私たちが実際に経験したことを取り入れるよう工夫しました
取材した“江田島の魅力と課題解決”
プレゼン動画の映像：
江田島って夕日綺麗らしいよ
プレゼン動画の映像：
島ならではの課題も多そうだよね
自分たちが興味を持った江田島の自然の魅力をアピールしながら、全国トップレベルの生産量の牡蠣をめぐる海ごみや空き家問題の解決を盛り込んだ修学旅行プランになった。
プレゼン動画の映像：
蛇草さんは地域の方々と空き家改修をしていらっしゃいます。私たちもそれをお手伝いすることで地域の課題解決に貢献できると考えました
プレゼン動画の映像：
海岸でゴミ拾いをして実際にどんな海ごみがあるのか説明していただきました
プレゼン動画の映像：
あ、海ごみアートもすごかったよね
プレゼン動画の映像：
この斬新なアイデアをプランに入れることが効果的だと考えました
プレゼン動画の映像：
いろいろな人のアイデア詰まったプランになりそうだよね
実際に江田島に住む人から聞いた”生の声”を大切にして、プランに盛り込んだ。
そして、大手旅行会社や大学教授などが審査した結果、激戦を勝ち抜き、見事、準グランプリに輝いた。
旅行会社JTBの審査員：
海ごみや高齢化や空き家、観光業の停滞、ややもすると、重たい課題をみなさんが楽しそうに議論している様子を通して、町の人たちの楽しそうな様子が画面越しに伝わってきた。一方でSDGsの項目も9項目にわたって網羅できている。このプランは本当に素晴らしいと感じた
生徒：
たくさんの人の思いが詰まったものなので、それが評価されたというのはすごくうれしい
人口減少が進む江田島の地域活性化は、未来を担う若者も巻き込み、徐々に広がりを見せてきている。
（テレビ新広島）
