1月半ば、東京湾で目撃されたのは、100頭近くのイルカ。
1月に入ってから、東京湾では珍しいトドやクジラなどが次々と出現。いったい東京湾で何が起きているのでしょうか。
めざまし8がその理由を取材すると…、影響は、東京湾の魚介類を使う江戸前寿司にも及んでいました。

東京湾にイルカの大群出没 海水温上昇で異変

この記事の画像(5枚)

撮影された映像に映っているのは、水面を何度も飛び跳ねるイルカ。
先日たくさんのイルカが目撃されたのは、東京湾の入り口、神奈川県の横須賀沖です。

今回撮影された映像について、イルカに詳しい日本鯨類研究所・主任研究員の後藤睦夫氏に聞くと、「温暖化によって餌の種類の分布域が変わってきますから、それを餌にするイルカの分布域も変化するっていうのも考えられる」といいます。

しかし取材を続けていると、変化しているのはイルカだけではありませんでした。

鮮魚店 店主:
水温自体が、昔に比べると確実に上がっているみたいね。昔に比べると、細かい魚が少なくなったな。小さい魚がね。

漁師:
水温が高いところにいる魚とかは、増えてきている感じはあるね。

多くの漁業関係者が口にしたのは、海水温の上昇に伴う“東京湾の異変”。
東京湾に詳しい専門家は…

NPO法人「海辺つくり研究会」理事長 古川恵太 氏:
1℃近くの上昇があるはずです。水温が1℃変わるっていうのは、気温にしたら5℃変わるくらいの生物学的な変化を起こすと言われています。

実は今、暖かい黒潮が、記録的な大蛇行をして関東の沿岸に接近しています。
その影響で東京湾の海水温が上昇し、海の生物にも影響が出始めているというのです。

江戸前寿司にも影響「サザエがまるっきり少なく」

こうした海の異変に頭を悩ませているのが、寿司店です。

「松乃鮨」佐多毅店主は「サザエがまるっきり少なくなっているし、シッタカっていう貝が、カジメの海藻がなくなったもんで全滅している」と話します。

近年、東京湾で採れる貝類やアナゴなどの寿司ネタが減ってきているということです。

(めざまし8「#NewsTag」1月25日放送)