「いじめをどう防ぐのか」をテーマにした弁護士による出張授業が、鹿児島・霧島市の小学校で行われた。向き合った児童らは、「いじめ」を「法律」の視点から見たことで、何を感じ、何を学んだのか取材した。
いじめをどう考える? 児童らに質問
霧島市の霧島小学校で5、6年生の児童を対象に出張授業を行ったのは、地元の法律事務所の竹山真美弁護士だ。

竹山弁護士は初めに、いじめをどう考えているか児童らに尋ねた。
かじき法律事務所・竹山真美弁護士:
いじめられる方が悪いんだろうか? という質問です
この問いかけに、大多数の児童が「どちらともいえない」という回答に手を挙げた。

竹山弁護士は、いじめを法律の視点で解説した。
かじき法律事務所・竹山真美弁護士:
「いじめ」は、一つ一つの行動を取って見ると、実はそれを大人がやったら犯罪になる行為。たたいたり蹴ったりする行為は、「暴行罪」という犯罪になります
いじめの重さ・助けを求める方法は…
いじめの重大さを知り、児童らの表情は真剣さを増し、食い入るように話を聞き始めた。竹山弁護士は続けた。
かじき法律事務所・竹山真美弁護士:
いじめで命を絶ってしまう子どもたちもいる。幸せに生きる権利(憲法13条)は誰にも奪うことはできない。常に相手の立場になって物事を考えるということが大事です
そして児童たちとともに、いじめをどう克服するかを考えた。

かじき法律事務所・竹山真美弁護士:
いじめを見ている側の立場になった時に、何ができるんだろうかというのを皆さんに考えてもらいたい

すると児童の1人が「あっちに逃げましょう」と発言し、竹山弁護士がこう続けた。
かじき法律事務所・竹山真美弁護士:
いじめの場から、その子を逃げさせてあげる
児童とのやりとりが続いた。
児童:
注意をする
かじき法律事務所・竹山真美弁護士:
そう! 注意をする。「いじめをやめて」ということは、すごく勇気がいること
児童:
先生とかに言う
かじき法律事務所・竹山真美弁護士:
そうです! 信頼できる大人に「あの子がいじめられています」というのを伝えることが、すごくよいことだと思います
そして竹山弁護士は、児童たちにメッセージを送った。

かじき法律事務所・竹山真美弁護士:
あなたが動けば、きっと何かが変わるはず。勇気を出して何かを始めてみませんか?
いじめへの認識の変化は?
授業の最後、竹山弁護士は児童に再び、あの質問を投げかけた。
かじき法律事務所・竹山真美弁護士:
やはり、いじめられている方が悪くないんだよと思う人は、どれくらいいますか?
多くの児童の手が挙がった。ほとんどの児童のいじめへの認識が変わったようだった。

児童:
いじめは、大人がやってやり返すと、犯罪になることを初めて知った。
児童:
いじめられている人がいたら、自分から行動したい

かじき法律事務所・竹山真美弁護士:
これからの学校生活に生かしてもらって、いじめがなくなるように祈っています

いじめることの重さを知ることはとても大切だし、助けを求める方法を知ることも大切。この日の授業は児童らにとっても、そのことを知る非常によいきっかけになったのではないか。
(鹿児島テレビ)