静岡県の女子高生が2022年国体の100m走でまだ1年生ながら高校日本一に輝いた。陸上一家に育ち、学校ではスポーツ専門学科で「速く走る方法」を理論的に学んでいる。陸上界期待のスプリンターの目標は、パリ五輪だ。
100m走で高1の日本歴代2位
2022年夏、高校生になってわずか4カ月の選手が陸上界を驚かせた。
それが…

小針陽葉さん:
富士市立高校1年、小針陽葉(こばり あきは)です。夢はオリンピックに出場することです
日本 期待のスプリンター、小針陽葉さん(15)。身長は162cmだ。

高校1年生ながら主戦場である100mでは、2022年8月の高校総体で2位、10月上旬の国体(少年女子)では日本一に輝いた。

さらに10月下旬のU-18陸上大会では、「11秒65」と高校1年の日本歴代2位の記録をマークし、一躍 将来を期待される選手として脚光を浴びた。
この記録で、自分が持つ静岡県高校新記録も更新した。

小針陽葉さん:
まさか自分の持っている県高校新記録を、(もう一度)更新できると思っていなかったのでうれしかった
スピードの秘密は幼少期からの遊び道具
彼女のスピード、それは「スイング」に秘密があった。

「スイング」とは、走っている時に後ろ足を前に持ってくる動作のことだ。それを素早く行うことで回転率が上がり、前への推進力が生まれる。彼女の走りは回転率が高く歩幅も大きいため、好タイムを出すことができるのだ。

さらに小さな頃から続けてきたことが走力に磨きをかけた。
あえて不安定な足場を作り出す器具を使ってのトレーニングだ。体幹の強化を幼少期から続け、爆発的なスピードが落ちない安定したフォームを身に付けた。
小針陽葉さん:
トレーニング器具が私の遊び道具になっていて、家にあってお姉ちゃんに「やってみな」と言われて遊んでいた。楽しかったです
“陸上一家” 姉や兄に憧れて
背景には家族の存在があった。

父が以前に監督を務め、今は母がコーチをしている沼津市の陸上クラブがきかっけで、競技を始めた。
3人きょうだいの姉と兄も陸上をしていて、長年 切磋琢磨してきた。2人は今も大学で陸上を続けている。

小針陽葉さん:
(姉と兄を)尊敬しています。自分が強くなりたいと思ったのも、お兄ちゃんやお姉ちゃんのおかげ。(自分では)わからない所を言ってくれるので、改善点につながっている
「速く走る方法」を学ぶ
そして力を磨いてきた彼女は、2022年に進学した富士市立高校でも陸上づけの毎日だ。

取材した日、陸上部は寺の長い石段を一気にかけあがるトレーニングをしていた。
監督:
(ペースが)落ちてきたんじゃない、あきちゃん!
小針陽葉さん:
足裏がやばい、内転筋もやばい
負荷の高い身体的なトレーニングだけでなく、授業でも陸上を学んでいる。

小針さんは「陸上のメカニズムを学びたい」と、静岡県内で唯一 スポーツ専門学科が設置された富士市立高校に進学した。「速く走る方法」を理論的に学んでいる。

小針陽葉さん:
(今 うけた授業は)自分に必要なトレーニングやどこができていないのか、今後 必要なトレーニングは何か考える授業です。自分に足りないものは何かを再確認できる
学業でも成績優秀だそうだ。 競技に活かされていると実感しているからこそ、勉強でも手は抜かない。
小針陽葉さん:
細かいことを自分でちゃんとコツコツできる選手になりたい
「パリはリレー補欠でいいから出たい」
陸上界・期待のスプリンター、小針陽葉さん。
生活の全てを陸上に捧げ、夢のオリンピック出場への道を駆け抜ける。

小針陽葉さん:
出る全国大会の全てで優勝することが目標。(2024年)パリ大会はリレーメンバーで補欠でもいいので、オリンピックに出たい。将来はオリンピックに出て、
世界で活躍できるような選手になりたい
(テレビ静岡)