カラスによる「ふん害」など被害がでている佐賀市では、カラスを追い払う新たな取り組みが始まった。

夕暮れ時に現れるカラスの集団

川浪沙貴記者:
あたりが薄暗くなってくるこの時間帯、たくさんのカラスが集まってきました。そして電線の下を見ると、大量のふんが散乱しています

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佐賀市内に現れる黒い集団・カラス。10月上旬からは越冬のため、中国やロシアなどから渡り鳥のミヤマガラスも飛来してくる。

カラスは県庁周辺を最大のねぐらとしていて、2022年2月に行った佐賀市の生息数の調査では1万羽を超えていたという。

佐賀市環境政策課・中原邦貴係長:
この地区がだいぶ以前から、カラスの“ふん害”で苦労されているところ。この実験で少しでも市民が、快くここを歩いていただけるようなところにできたら

“カラス追い払い”その方法は…

そこで、佐賀大学やカラス対策に取り組む企業と連携し、市内2カ所にスピーカーを設置することに。ねぐらとされる電線に近いビルの屋上から、カラスが警戒しているときの鳴き声を流し、カラスを追い払う実証実験を始めた。

片田江交差点では、日が暮れるにつれ交通量が多くなり、スピーカーからの鳴き声が車の音にかき消されてしまった。

CrowLab・塚原直樹代表:
きょうはちょっと音量があまり届いていない可能性があるので、回収のときに音量を上げていただくことと、今インターバルの時間が長すぎる感じがするので

この日、電線にとまったカラスはソワソワと落ち着きのない様子を見せたが、追い払うことはできず、いくつか課題が残る結果に。

佐賀大学農学部・徳田誠准教授:
もともと佐賀市の場合は古くからねぐらが県庁周辺にあるので、(ねぐらを)移動させるとなるとハードルは高い。いろいろ調整しながら上手くカラスに伝わるようにやっていければ

一方、3年前から音声による実証実験が行われている熊本市では、実験後、市街地にあったカラスのねぐらが移動するなど、一定の効果がみられているという。

佐賀市の担当者は12月20日、反省点を生かしスピーカーの調整へ。

佐賀市環境政策課・山本宣洋さん:
交差点が近いので音量を上げるような調整をしようかなと

また、屋上の周りの壁も音が上手く届かなった要因の1つということで、機械の高さも調整していた。

今回の結果を踏まえ、実証実験は2023年1月にも実施される予定。

(サガテレビ)

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