岸田首相は、1日、2023年の年頭にあたっての所感を発表した。

5月に広島市で開催されるG7サミット(主要7か国首脳会議)について、力による一方的な現状変更、核による威嚇を「断固として拒否する強い意思を、歴史に残る重みを持って示したい」と決意を示している。

年頭所感では、2022年について、「新型コロナ・オミクロン株の大流行、ロシアによるウクライナ侵略、エネルギー危機や急速に進展する円安による物価高、さらには安倍元総理の銃撃事件。正に激動の一年となった」と振り返った。

「今、私たちの世界が、経済も国際秩序も、歴史的な分岐点を迎えている」と指摘し、「皆の努力で、我々自らを変えることで、新しい時代にふさわしい日本を創り上げる決意だ」とした。

NPT再検討会議で演説した岸田首相(2022年8月)
NPT再検討会議で演説した岸田首相(2022年8月)
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世界情勢については、「ロシアによるウクライナ侵略、核兵器を巡る脅威の高まり、国際社会の分断など、私たちは今、戦後最も厳しいとも言える安全保障環境に直面している」と分析した。

そして、「日本は今年、G7の議長国として、広島サミットを主催し、国連安保理非常任理事国を務める」とした上で、「力による一方的な現状変更や核による脅しを断固として拒否するといった我々の強い意思を、歴史に残る重みをもって示していきたい」と強調した。

そのため、「昨年決定した国家安全保障戦略も踏まえ、我が国自身の外交的努力を更に強化し、その裏付けとなる防衛力の強化などにも全力で取り組む」考えを示した。

新しい資本主義実現会議(2022年11月)
新しい資本主義実現会議(2022年11月)

岸田首相が掲げる「新しい資本主義」については、「今年も、グリーン、デジタル、スタートアップ、イノベーションなどの分野に、官民が連携して、大胆な投資と改革を進めていく」とした。

また、少子化対策、こども政策について、「社会全体を維持できるかどうかという大きな課題で、先送りできない問題だ」と位置付けた。

そして、「今、我が国が直面する困難も皆が力を合わせることで必ず乗り越えられると確信している」として、国民の協力を呼びかけた。

政治部
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総理大臣、官房長官の動向をフォローする官邸クラブ。平河クラブは自民党、公明党を、野党クラブは、立憲民主党、国民民主党、日本維新の会など野党勢を取材。内閣府担当は、少子化問題から、宇宙、化学問題まで、多岐に渡る分野を、細かくフォローする。外務省クラブは、日々刻々と変化する、外交問題を取材、人事院も取材対象となっている。政界から財界、官界まで、政治部の取材分野は広いと言えます。