映画「男はつらいよ」シリーズなどで知られる俳優の佐藤蛾次郎(78)さんが、12月10日に自宅で亡くなっていたことがわかった。

佐藤さんは、1954年にラジオドラマ「風の又三郎」でデビュー。
その後、1969年公開「男はつらいよ」の第1作から出演し、渥美清さん演じる主人公・寅次郎の弟分・源吉役で、お茶の間でも人気を博した。
2019年12月に行われた「男はつらいよ お帰り寅さん」の舞台挨拶では…。

佐藤蛾次郎さん:
この間、ロスにテレビの仕事で行ったんですけども、僕の顔を見て「寅さん、寅さん」と言われて。「Yes, I am temple maintenance(イエス、アイアム テンプル=寺院 メンテナンス=管理)と言ったら、うけました。テンプルメンテナンスの源ちゃんです、よろしく。
と周囲を和やかな雰囲気に包み込むなど、佐藤の人柄が垣間見える場面も。

関係者によると、佐藤さんは12月10日午前10時ごろ、自宅の浴室で倒れているのを訪れた親族が発見し、119番通報。その場で死亡が確認されたという。
シリーズ終了後も、さまざまな映画やドラマに出演し活躍していた。
寅さんシリーズでメガホンを取った山田洋次監督(91)は、こう偲んだ。

山田洋次監督:
彼は小柄な身体、ユニークな表情、愛嬌のあるガラガラ声で表現してくれた。「男はつらいよ」シリーズを支えたレギュラーメンバーがまた一人減って寂しくなりました。
また、寅さんシリーズで長らく共演した俳優の前田吟さん(78)は訃報を受け、取材にこう答えた。

前田吟:
まさかとは思いましたよね。また一人、戦友を亡くしたかという感じ。寅さんが長く続いたので、撮影の合間は本当の同級生としてね、それこそ同期のサクラとして、一緒に励まし合った仲ですよね。蛾次郎くんはかわいがってもらったね。いろんな意味で手を取り合って、それは参考にさせていただきましたよ。
そして、寅さんの妹役で共演した倍賞千恵子さん(81)は、こうコメントしている。

倍賞千恵子:
まさか「寅さん」でこんなに長くお仕事ができるとは思ってもいませんでした。ガジさんがけがをして映画に出られなかった時、渥美さんとお見舞いに行ったら「えへへ」と笑って、いいわけをしていた姿が懐かしいです。
(「イット!」12月12日放送)