世界でも最高水準といわれる日本の水道水。しかし3日前、福岡市の水道水に異変が生じた。

那珂川下流域に建つ取水場(福岡市南区)
那珂川下流域に建つ取水場(福岡市南区)
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水道水から異臭…その原因は

「顔を洗とうとした時に、明らかに墨汁みたいな臭いがしたんですよね。墨汁というか、金魚の水というか。これで顔を洗えないと思います」。こう話したのは福岡に住む男性。

11月27日、福岡市水道局は電話が鳴り止まない事態に見舞われた。

殺到したのは、水道水から異臭がするという苦情。「水道がカビ臭い」「水道の水が土臭い」といった声が500件近く届いた。

水道水に何が起きたのか、ようやくその原因が判明した。水を取り込んでいた川に、カビの臭いを発する大量の藻が流れ込んだのだという。

異臭の原因となったのが、植物プランクトンの一種「オシラトリア」。

このオシラトリアが周辺のため池で増殖し、水道水をくみ上げる川に流れ込んだとみられている。

市水道局「健康への影響なし」

11月30日朝、取材に応じた福岡市の男性は、このような不安を口にした。

「飲んでないんですけど、シャワー浴びたりすると口に入ってくるから、これ本当に大丈夫かなって思いながら…」

市水道局は、異臭のする水道水を飲んでも健康への影響はなく、5~6分煮沸すれば臭いは取れるとしている。

すでに取水地点を切り替えるなどの対応策が取られ、水の状態は12月1日までにほとんどの地域で改善する見込みだ。

(「イット!」11月30日放送より)